炎上続く『ヒプノシスマイク』舞台化発表で思う、公式よお前の血は何色だ

 

「音楽原作キャラクターラッププロジェクト」『ヒプノシスマイク(以下『ヒプマイ』)』の炎上が止まらない。炎上にせっせと薪をくべ、健気にガソリンをまいているのが公式だからだ。9月7、8日に行われたライブの中で、既存キャラの掘り下げが十分でない中で、新キャラを発表をした際にも随分燃えたが、今にして思えばその燃えっぷりは「たき火」程度だった。その後同20日に発表された「2.5次元舞台発表」という大陸間弾道ミサイル級インパクトの前では――。いちオタクとして、ヒプノシスマイクの今ある問題を整理したい。

 

■『ヒプマイ』、過去三回やらかす(年末に、アプリでたぶんまたやらかす)

『ヒプマイ』公式が新たな試みを打ち出すたびに、それを素直に面白がったり、広い心で受け止めてきたファンもいるという前提でお伝えしたいのだが、人気コンテンツであるがゆえにこういった試みに拒否反応を示すファンも多い。これまで『ヒプマイ』のしてきたしでかしのうち、死傷者数が多いものを時系列順に挙げると以下の通りになる。

【第一次世界大戦】2018年12月からのコミカライズ展開
【第二次世界大戦】2019年9月の新ディビジョン発表(新キャラの追加)
【第三次世界大戦】2019年9月の2.5次元舞台化の発表               

 なお今年12月にはアプリゲームの発表も控えており、これが「第四次世界大戦」になりそうな匂いが今からプンプンしてやがるぜ、という世紀末世界の様相を示している。

 この惨状に「コミカライズで失望した時点でさっさと降りとけばよかった、苦しみを長引かせただけだった」と嘆くオタクも少なくない。しかし降りれなかったオタクには理由がある。『ヒプマイ』は2017年9月のサービス開始当初は「イカすキャラクターデザイン、イカす楽曲、キャラデザにあったイカす声優」、そしてちょっとのドラマストーリーだけで進めていた。そのころの『ヒプマイ』は本当にイケていた。

 コミカライズまで『ヒプマイ』は「魅力的なキャラクターと楽曲をチラ見せをして、あとはオタクの妄想に頼る」という「刀剣乱舞方式」を当初は採用していた。そしてオタクの集団はTwitterを舞台に勝手に妄想を膨らませ、それを共有し、再統合していくAIばりの働きを見せた。「このキャラはこんなこと言いそうだし、こんなことしそう」という楽しいコンセンサスが生まれていった。このころが『ヒプマイ』楽園期だったと今も思う。

『ヒプマイ』運営のキングレコードは、じゃあもうお任せしますね、たまに燃料供給するから、そのときのお支払いだけお願いしますね、とするのが賢いやり方だったと思うし、そういわれたらファンとて「はーい」と素直に従っていただろう。

 しかし楽しそうなオタクが気に食わなかったのか理由は不明だが、『ヒプマイ』公式は「本格的な正史作成」になぜか乗り出してしまう。これが2018年12月の百瀬祐一郎氏によるコミカライズで、これが第一次世界大戦となったのだ。

 なお、この原稿の著者である私はここでもうすでに死んだ。コミカライズの内容は「やばたにえん」だったのだ。

 そもそも、最初から『ヒプマイ』が「チラ見せでオタクの妄想に頼る」のでなく、この「正史」であらんとするコミックから展開していたら、ここまで人気は出なかっただろう。話題にも上らず数回で「俺たちのヒプノシスマイクはまだ始まったばかりだぜ! ☆百瀬先生の次回作にご期待ください――」となっていたはずだ。

 しかし時すでに遅し。オタクAIによって作られた「キャラ像」にほれ込んでしまったオタクは後から出てきた「正史」であるコミカライズに失望したところで、もうその時点ではすでに簡単にジャンルを降りられない体にさせられてしまっているのだ。

 これがいわゆる「キャラを人質に取った状態」だ。『ヒプマイ』の「キャラを人質にする」やり方はとてもうまかったと思う。キャラクターデザインや声優や楽曲で魅了されてしまったため、積み重なる仕打ちで公式を憎んでいるのに、降りることすらかなわず苦しむオタクは多い。

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