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2.5次元舞台はそうじゃない舞台より「低い」ものではない――舞台『A3!』演出・松崎史也氏インタビュー

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「MANKAI STAGE『A3!』」公式サイトより

 2.5次元市場の勢いが止まらない。ぴあ総研によると2018年の2.5次元ミュージカル市場規模推計は、前年比44.9%増の226億円と、躍進が続いている。役者育成アプリゲーム『A3!』の2.5次元化舞台「MANKAI STAGE『A3!』」の演出を行う松崎史也氏に、2.5次元ならではの難しさや魅力について伺う。

【過去のインタビューはこちらから】
若手俳優の演技がここ10年で「ウマく」なった理由とは? 松崎史也氏に聞く!【ヘタの研究】vol.7
・「テレビ・映画」と「舞台」における演技の決定的違いって? 松崎史也氏に聞く!【ヘタの研究】vol.8

 

■2.5次元ならではの「キャラクター」と「俳優」のバランス

――2.5次元は俳優が既存のゲームや漫画などの「キャラクター」を演じますが、キャラと俳優のバランスをどう考えていますか。

松崎史也氏(以下、松崎) 原作のキャラクターに似せることは作り手側の最低限のマナーであり、それをしないと出鼻で否定されてしまいます。声が似てるとか動きが似てるというのはスタートラインであり、その上で、その先に表現したいことを俳優と作っている、という感じですね。

「原作ファン」はとても大事です。その方たちが作品を追いかけてきたから“2.5次”という形になっているわけですので、そこには敬意と誠意が不可欠です。

――舞台の場合、歌、踊り、演技、そもそものたたずまいなどいろいろありますから「声はちょっとイメージと違ったけど立っているたたずまいが似てる」とかさまざまな加点要素がありますよね。

松崎 お客さんが俳優を見るときに、俳優とキャラクターのその若干のズレをむしろ愛しいと思うか、また、しっかり合わせてきたことをすごいと思うか、どちらもありますよね。だから2.5次元は、キャラに寄せるのが基本なのですが、俳優の魅力と切り離せないんです。

 

■2.5次元俳優がが「そうではない舞台俳優」よりも努力を重ねる部分

松崎 ただ今までお話しした「キャラクターに似せる」ことって、何も2.5次元に限った話ではないんですよね。

 舞台のために書下ろした完全オリジナルの脚本であっても「この人物像なら声は高いか低いか、 話し方は早いか遅いか、背中が曲がってるか伸びているか」とか、そういった検討を俳優は必ずするはずです。ただオリジナル脚本の場合、明確な手本があるわけじゃないので、その作業をサボってもバレにくい。

――2.5次の場合、絶対的な既存のキャラクターがいますしね。

松崎 ですので「2.5次に慣れている俳優の方がいわゆる小劇場の俳優よりも技術的にうまいことはよくある」と思っています 。「2.5じゃない(舞台の)方が上」という価値観にはかなりノーだと言いたいですね。

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