人手不足解消も近い!? 自動歩行、図書館…もうすぐ“社会人デビュー”しそうなロボットたち

1606_robbot.jpg「Gizmag」より

 人工知能とロボットの話題に事欠かない昨今だが、近いうちに登場を控えているロボットたちの情報がいろいろと明らかになっている。

■自動運転よりも難しい歩道歩行ロボットが開発中

 テスラモーターズやグーグルの“自動運転自動車”が注目されているが、車道だけでなく歩道でも自律的に走行するロボットがお目見えしそうだ。ただでさえ狭い歩道にロボットまでやってくるなんてまっぴら御免、と感じた人ももご安心あれ。スタンフォード大学が開発した「Jackrabbot」は、周囲の歩行者の動きもリアルタイムで常にしっかり把握し、人にぶつかることなく自在に進路を修正しながら前進するロボットなのだ。

 これはある意味で自動運転システムよりも難しい自律行動であるということだ。確かによく考えれみれば、基本的には交通規則を守って走っている車の中で走るよりも、各人が勝手気ままにそぞろ歩きをしている歩道は、人工知能もなかなか予測がつかないだろう。

「Jackrabbot」紹介動画 「Stanford University School of Engineering」より

 現在、Jackrabbotのプロトタイプは毎日のようにスタンフォード大学のキャンパス内を学生たちに紛れて歩きまわっているということだ。この“徘徊”の最大の目的は、キャンパス内のあらゆる場所をカメラに収めて情報収集し、また歩行者の行動を観察して人間のふるまいを学ぶこと。車道であれば明確な交通ルールがあるが、歩道では人々は周囲の人の挙動や気配などで意を汲んで動いていることが多い。例えば狭い歩道ですれ違う際などに右へ避けるか左にいくかは多くの場合、すれ違う相手の挙動などによって変わってくるだろう。

 人間らしい歩き方を学んでいる真っ最中のJackrabbotだが、キャンパス内のこの学習を通じて社会人の“エチケット”も身につくはずであるということだ。例えば人々の行列の最後尾について並んだりなど、周囲を不快にさせないことを学んでいくという。そしてこの“学習”期間を通じて、5、6年後には500ドル(5万3000円)程度の価格で市販化することが見込まれているということだ。施設内の道案内や巡回警備など、さまざまな業務での活用が考えられている。空港や駅、デパートや観光施設などでこのJackrabbotが活躍する日はもうすぐのようだ。

■新開発の“図書館司書ロボット”がほぼ完成

 一方、シンガポールの研究機関「A*STAR Research」がすぐにでも現場の第一線に立たせようとしているのが新開発の“図書館司書ロボット”だ。

 現在のほとんどの図書館では所蔵書籍がデータベース化されているが、それでも書棚に並んだ書籍の管理は最終的には人間の目視で行なっている。だが、1冊の書籍を間違えてまったく異なるジャンルの棚に紛れ込ませてしまったら、後から別の人間がそれを発見するのは容易なことではない。

 しかしこのロボットに“夜勤”をさせれば、間違った場所に並べられた書籍は一晩のうちに発見できるのだ。すべての書籍にRFID(Radio Frequency Identification)タグが貼りつけられていることが前提になるが、車輪で自律走行するこのロボットが図書館の棚を回り、すべてのRFIDダグを効率よく読み取ってデータを取得し、貸し出しの状況はもちろん、誤って並べられた書籍の発見などをレポートにまとめてプリントアウトし、まさに日報のように毎朝職員に提出することができるのである。カーブを描いて設置されているなどの変形した書棚のレイアウトにも対応でき、情報の正確さは99%とほぼ間違いないレベルだ。図書館の規模によって、複数台をそろえることにより一連の作業を一晩で終わらせることが可能だ。

 このロボットの導入によって、図書館司書や職員の仕事が楽になること間違いない。図書館だけでなく倉庫管理や小売店での商品管理、あるいは医療の現場や航空機、自動車産業での活用も考えられているという。あと数年もすればこれらのロボットが続々と“社会人デビュー”を飾りそうなことから、人手不足は徐々に解消されてくるのかもしれない。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・Gizmag
http://www.gizmag.com/jackrabot-robot-pedestrians/43640/

・A*STAR Research
http://www.research.a-star.edu.sg/research/7512/high-tech-librarian-knows-its-books

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