ついに応募作品は破棄されたまま…… 【TAAF2016】『東京アニメアワードフェスティバル2016』開幕、騒動の当事者SFD文書を全公開

1603_TAAF_2.jpg『東京アニメアワードフェスティバル2016』公式サイトより。

 18日、『東京アニメアワードフェスティバル2016』(以下『TAAF2016』)が開幕を迎えました。コンペに応募した多数の作品が審査されず破棄されたまま開幕にいたるという、前代未聞の事態です。

「おたぽる」特別取材班では、この問題について各方面への取材を通し、何度も問題を指摘してきました。日本動画協会から「虚偽」「悪質なネット媒体」と断じられ、7,200万円もの損害賠償を請求されながら主張し続けた「内輪モメとかどうでもいいんで、応募作品は全部審査しましょうよ」という、ごく当たり前の思いは、ついに実りませんでした。

 問題の発端は、『TAAF2016』実行委員会に任命されたフェスティバルディレクター・江口美都絵を、日本動画協会が一方的に解任し、それによって「Shortfilmdepot.com」(以下「SFD」)を通じて応募された作品が宙に浮いてしまったことにありました。日本動画協会はこの問題について、「江口氏が作品と引き換えに金648万円を要求している」としたうえで、SFD側が「応募手続を履行せず」などと、あたかも江口氏とSFD側にトラブルの原因があるかのような文書を公開しています。

江口美都絵氏(東京アニメアワードフェスティバル・元フェスティバルディレクター)に対する刑事告訴・民事裁判に関する御報告 (2016/2/15 付発表文に対し、第8項を追加発表) | 日本動画協会
http://aja.gr.jp/info/856

 ここに、一通の文書があります。SFDが関係各所に送付した文書です。ここでは、SFDがそもそもどんな組織であるかから始まり、映画祭への取り組み方、江口氏とSFDの関係、トラブル発生後に日本動画協会がSFDアカウントのパスワードを盗用して不正アクセスを試みたこと、そのため一時アクセスをブロックしたこと、日本動画協会からのSFDへの要求に対して「江口氏を解任したなら、TAAF実行委員会全員の承認サインを」と求めたところ、日本動画協会側から連絡を絶たれたことなどが詳細に記されています(なお、取材班の入手した12月の実行委員会配付資料では「江口氏が登録作業等を行ったため、今回の問題発生後、パスワードを変更されてしまい、こちら側からアクセスができなくなっている」とのみ報告され、不正アクセスを行ってSFDの登録者情報を入手したことは記されていません)。

 取材班は、SFDの許可を得て、この文書の訳文と原文を公開いたします。

 華やかな映画祭開催の裏で何があったのか、すべてのアニメファンのみなさま、関係者各位にご判断をいただければ幸いです。

 一連の出来事は海外でも大きな注目を集めています。『TAAF』に来場経験のある「アヌシー国際アニメーション映画祭」のYves Nougarède氏は、取材班に対して「江口氏の仕事には、私のみならず同行したミシェル・オスロらも総じて感謝している」と述べる一方で「滞在中に日本動画協会の関係者と話をすることはなかった」とコメントしました。

 諸外国のアニメーション関係者の間では、江口氏の突然の「解任」と日本動画協会という組織に対する疑問が共有されつつあるようです。

 今後、事態が来年以降の『TAAF』開催はもちろんのこと、日本のアニメーション産業そのものの信用問題へと発展していくことは疑う余地もありません。

 なお、この文書の公開は『TAAF2016』の成功を妨げるものではありません。取材班は、こうして開催にいたったからには、ひとりでも多くの方々に『TAAF2016』に足を運んでいただき、面白い作品には大きな賞賛を、そうでない作品には愛のある批評を浴びせてほしいと、心から願っています。

ついに応募作品は破棄されたまま…… 【TAAF2016】『東京アニメアワードフェスティバル2016』開幕、騒動の当事者SFD文書を全公開のページです。おたぽるは、アニメ話題・騒動の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

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