【実写映画レビュー】画面は綺麗、でも遠い……ヒロインもイマイチ萌えない、行儀のいいゴシックホラー『クリムゾン・ピーク』

1601_peak01.jpg『クリムゾン・ピーク』公式サイトより

 ギレルモ・デル・トロ監督の最新作と聞けば、『パシフィック・リム』(2013年)のジャパニーズ特撮大好き感とか、『ブレイド2』(02年)や『ヘルボーイ』(04年)のガチでディープなアメコミ魂とか、『パンズ・ラビリンス』(06年)の美少女meetsグロ系クリーチャーといった、平たく言えば“オタク感”を強く期待してしまう。

 しかし『クリムゾン・ピーク』にそれらを期待すると、華麗に肩透かしを食らうので注意されたい。本作は、いわゆる由緒正しきゴシックホラーだ。古屋敷が出てきて、幽霊が出てきて、古式ゆかしいロングドレスのヒロインが出てきて、キャーキャー叫ぶ。例のアレである。

 端的に言うなら、結末もまあ、普通だ。あまたのマンガやアニメを大量摂取している、フィクション経験値の高い「おたぽる」読者なら、なおのこと。要は「ブラコンのメンヘラ小姑コワーイ」話であり、「ああ、あのパターンね」というやつである。

 舞台は1901年のニューヨーク。実業家の父を持つ小説家志望の女性イーディス(ミア・ワシコウスカ)は、幽霊が見える体質だ。ある時、準伯爵の称号を持つトーマス(トム・ヒドルストン)という男が、イーディスの父親に面会を求めてイギリスからやってくる。掘削機への資金提供をもちかけるためだ。父親は出資に難色を示すが、ほどなくしてイーディスとトーマスは恋仲になる。
 そののちイーディスの父が何者かに惨殺される。失意のイーディスはトーマスと結婚してイギリスに渡り、トーマスの姉ルシール(ジェシカ・チャステイン)と古い屋敷で3人暮らしをスタート。しかしそこでは、亡霊がイーディスに「クリムゾン・ピークに気をつけろ」と警告するのだった……。

 画面に登場するものの美しさに関しては文句のつけようがない。20世紀初頭のニューヨークの雰囲気。英国の丘陵地帯にそびえるミステリアスな古屋敷。没落貴族の持ち物である古びた調度品の数々やゴシックな衣装。格調高い食器や小道具。そのひとつひとつが、思わず拡大鏡をあてたくなるほど美しい。

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