原恵一監督作の長編アニメ『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』が、カナダ・モントリオールで開催されていた「第19回ファンタジア国際映画祭」(現地時間7月4日~8月4日)において、長編アニメーション優秀賞にあたる今敏賞、セカンス賞アジア映画優秀賞、長編アニメーション観客賞の3冠を受賞した。
原はTVアニメ『クレヨンしんちゃん』シリーズを長く手がけ、“大人も泣ける名作”劇場版『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』や、『河童のクゥと夏休み』の監督を務めたことで知られるクリエーター。
その原が、これまた名作と呼び名が高い杉浦日向子のマンガ『百日紅』(筑摩書房)を長編映画化。さらに主人公の浮世絵師・お栄を杏、その父である天才浮世絵師・鉄蔵(葛飾北斎)を松重豊が演じることで、アニメ専門誌だけではなく一般マスコミからも注目を集めた。
さぞ話題になるだろうと思いきや、初週末興行成績(5月9~10日/全国75館公開)は約1720万円と目を疑うほどの大コケとなってしまったのだ。
「試写を見た関係者の評判はよかったですよ。杏も松重も演技派だけあって、声の演技もなかなか上手にこなしていましたし、浮世絵を組み込んだ美術や演出は“さすが”と思わせるものでした。ただ、派手なアクションシーンがあるわけでもないし、杏や松重を起用したことでアニメファンがやや敬遠してしまった。かといって、アニメ映画に杏や松重のファンが来てくれるわけでもない。どっちつかずになってしまった印象がありますね」(アニメライター)
実際、日本国内に比べて海外での評価は高く、今回の受賞は6月のフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭での長編コンペティション部門審査員賞に続く、海外の国際映画祭での受賞となった。精緻な江戸の町並み、“ジャポニスム”を連想させる浮世絵の描写など、確かに海外で受けそうな要素ばかり。「クールジャパン」とか言って、半端なSFやロボットに力を入れるよりも、海外を視野に入れるなら、こちらの路線に舵をきるのもアリかもしれない。
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