役所広司に力説するほど!? 『バケモノの子』の、とあるセリフに隠された監督・細田守の思い

150804_bakemono.jpg『バケモノの子』公式サイトより。

 最新作『バケモノの子』が公開中のアニメ映画監督・細田守。8月3日放送の『プロフェッショナル~仕事の流儀~』(NHK)は、『バケモノの子』公開前の約1年間、細田に密着。放送では、細田の意外な素顔と共に『バケモノの子』のとあるセリフの秘密が明かされていた。

『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』のヒットで、アニメ界の巨匠に上り詰めた細田だが、その過去は意外にも挫折だらけ。大学卒業後に受けたスタジオジブリの就職試験は不採用。その後、東映アニメーションに入社し、2000年に初監督を務めた『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で業界内外から注目を集めたものの、ジブリに出向して『ハウルの動く城』の監督を任された際は、絵コンテに行き詰まり、途中で監督を解任されてしまっている。番組で細田は「『東映で学んだぞ』という変な自負があって、宮崎(駿)さん高畑(勲)さんに相談したりとか、教えを請うってことも、今から思えばちょっとぐらいしてもよかったんじゃないと思う」と当時を振り返っている。

 そんな細田の作品は番組によると、親戚との不仲=『サマーウォーズ』、子どもの誕生=『おおかみこどもの雨と雪』というように、自身の体験や家庭環境が大きく作品に反映されているという。今回の『バケモノの子』の場合は、主人公・九太と熊のバケモノ・熊徹に自身の“父と子の関係”を投影しているのだとか。

 細田の父は仕事人間で、細田も一緒に遊んだような記憶がないほど。そして、反抗したり、甘えたりという父と子の関係を築く間もなく、細田が30歳のときに父は他界。この経験を踏まえて、九太と熊徹に自身の擬似的な父子関係を投影したよう。その最たるシーンが、物語の終盤に九太が熊徹に「オレのやることを、そこで黙って見ていてほしい」と言う場面。本来は熊徹が黙って聞いているシーンの予定だったが、細田が急遽「おうっ、見せてもらおうじゃねぇか」というセリフを熊徹に与えている。

 アフレコの際にも熊徹の声を担当した俳優・役所広司に「このセリフのためにこの映画全部がある」と伝えるほど、物語の上で重要なセリフだが、それ以上に細田自身の父親に対する思いが込められた場面にもなっている。未見の人はぜひこのシーンに注目して見てみてはいかがだろうか。

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