ーー「ロフト・プラスワン」は、姉妹店として「ネイキッド・ロフト」、「阿佐ヶ谷ロフトA」の東京2店舗に加え、昨年は大阪に「ロフト・プラスワン・ウエスト」も誕生させました。着実に、広げていってますよね?
平野 今はトークライブハウスもすっかり定着したからね。東京だけでも、10軒くらいのトークライブハウス、トークカフェがあるし、その波は全国に広がってる。このままトークライブハウスがたくさん出来ていったら、日本も変わるんじゃないかな? なんて思ってるよ。
一時はね、より多くの人が見られるように、、会場にカメラを置いてユーストリームで生放送する試みもしていたんだけど……それによって、確かにより大勢の人に見てもらうことはできたんだけど、如実にお客さんが減ってしまったんだよね。雨が降ったりしたらもう、激減で。お客さんが減ると、経営的に厳しくなる。そうなったら出演者にもギャラを払えなくなっちゃう。
結局、「トークライブハウスは、現場に行かなきゃ聞けないっていうのがいいんだろう」ってことになって、また密室化しちゃったわけ。
ーーそんな“密室の閉塞感”を打開するかのように、2015年1月29日から、平野さん主導で『ロフトラジオ』が始まったわけですが、どうして今、ラジオなのでしょうか?
平野 「ロフト・プラスワン」も大変好調で、3カ月先のスケジュールまで決まってる。それはとてもありがたいことなんだけど、そうなると困ったことに“今やらなくてはいけない”イベントをやれないんだよね。例えば今だったら、イスラム国の話題とかね。世間の流れにフレキシブルに対応できない。
あと、「ロフト・プラスワン」だったら、僕が話を聞きたい人を呼んで好きなイベントをやっても、お客さん入らなかったら困るんだ。各店舗の店長はそれこそ集客に生活がかかってるから、僕がイベントをやって5人しかお客さん来なかったら真っ青になっちゃう。ライブハウスの時代から数えると、40年以上も客入りを心配し続けてきて、今年もう70歳になったし、「もうそういうの心配したくないな」と思ったの。そういう意味で、ラジオがちょうどよかったんだよね。
ラジオのいい点は、顔が見えないから、聞き手にすごくイマジネーションが広がるんだよね。『ロフトラジオ』はユーストを使っての放送だから本来は映像を流せるんだけど、だからわざと映像はオフにして放送してる。
今後は僕のアンテナに引っかかった、魑魅魍魎な人たちを引っ張りだして、話をしていきたいなと思ってるよ。
ちなみに、ゲストにはちゃんとギャラも出してます。えらいでしょ?(笑) 無料で放送しているから、当然赤字だけど、このラジオで人のつながりができたり、将来的な投資になればいいと思ってるんだよね。
(構成/村田らむ)
『ロフトラジオ』
毎週木曜日夜8時から、ユーストリームで放送されている。さかのぼって、過去の放送も聞くことができる。普通のラジオではなかなか聞くことができない、奇々怪々な魑魅魍魎たちのトークをお楽しみあれ。
★ロフトラジオ<http://www.loft-prj.co.jp/loftradio/>
「70歳になって集客を気にしたくないと思った」ロフト・プラスワン代表が今、ラジオを始めたワケのページです。おたぽるは、インタビュー、その他、演劇、村田らむ、ロフトラジオ、ロフト・プラスワン、インタビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載