Kindleでも読める30年前の名作プレイバック 第26回

『ポーの一族』の“ポー”とはもしや……? 少女マンガならではの美しさで描かれた“不老不死モノ”の魅力

―今から30年前以上前、そう僕らが子どもだったあの頃に読みふけったマンガたちを、みなさんは覚えていますか? ここでは、電子書籍で蘇るあの名作を、振り返っていきましょう!

『ポーの一族』のポーとはもしや……? 少女マンガならではの美しさで描かれた不老不死モノの魅力の画像1(イラスト/村田らむ)

『ポーの一族』は1972年から「別冊少女コミック」(小学館)に不定期連載された作品だ。ちなみに「別冊少女コミック」は現在の「ベツコミ」である。

 連載が始まった1972年は僕の生まれた年なので、当然、当時は読んでいない。そして小学校、中学校で読んだのか、というと、やはり読んでいない。どうにも少女マンガを読むというのが、子供の頃の僕には恥ずかしかったのだ。

 結局、これまでに萩尾望都作品は、『11人いる!』の単行本に収録されている作品しか読んでいなかった。この作品は、少女マンガからのアプローチではなく、SF小説やSFマンガにどっぷりとかぶれていた時に、SFもののひとつとして読んだ。

 前々から、少女マンガ「花の24年組」の中でもトップの人気を誇り、2012年には少女マンガ家としては初の紫綬褒章を受章した、日本を代表するマンガ家の作品を読まないのはもったい!! と思っていたのだが……今回、ついに初めて読んだのである。なので、ファンから見たら、おかしなことを言うかもしれないが、少し大目に見てほしい。

『ポーの一族』を簡単にジャンル分けするならば、“不老不死モノ”である。もっと正確に言うならば“通常は不死だが、特定の条件によっては死ぬ”不老不死モノである。これは日本でも海外でも、人気の高いジャンルだ。

 例えば、映画にもなったアン・ライスの『夜明けのヴァンパイア』(映画名は『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』)は、ヴァンパイアになったルイ(映画だとブラピ)が、200年に渡る人生をインタビュアーに語る内容になっている。この作品は、とても『ポーの一族』と類似点が多いと思った。作品の発表も、1979年と近いので、ひょっとしたら『ポーの一族』に影響を受けているのかな? とすら思った。

 また、映画だと『ハイランダー悪魔の戦士』も面白い。ある特定の方法以外では死なない戦士になった主人公が、500年に渡って戦いを続ける話だ。この作品でも、不老不死の主人公が普通の少女を育てるという、『ポーの一族』の話にとても似ているエピソードがある。

 そうそう、日本のマンガでも、高橋留美子の『人魚シリーズ』が印象深い。500年前に人魚の肉を食べて不老不死になった湧太と、同じく不老不死になった真魚の果てしない旅の話だ。

『ポーの一族』は、これらの人気作品よりかなり前に、連載が始まっている。“不老不死モノ”の元祖的作品と言って良いのではないだろうか。

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