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祝!宝塚100周年企画 ヅカヲタ女医の「アモーレ!宝塚ソング」第3回

安蘭けいさまが歌う「TAKARAZUKA FOREVER」に女子のアンビバレントな自己肯定感を学ぶ

 自画自賛ソングはもともとショーや芝居の主題歌等として作られたものが多く、それが宝塚の世界である種の普遍性を帯び、歌い継がれるようになったケースが多いです。そうした曲は、なんらかの記念公演などで歌われるほか、ときには新作のショーにも組み入れられるなどして、折に触れて歌われていきます。wojoが思春期に初めて宝塚に接したときには、自画自賛ソングが表現する、ひとかけらの曇りもない自己肯定ぶりに赤面の思いがしましたものです。しかし年を取り、また繰り返し聞いていると、不思議と慣れてくるもの。今ではあまり違和感なく接している自分に驚きすらしません。

「この愛よ永遠に」は1984年、宝塚70周年のときの月組、大地真央さん・黒木瞳さんによるショー『ザ・レビューII-TAKARAZUKA FOREVER-』で歌われた曲がベースになっています。お芝居仕立ての珍しいショーで、メロディーに乗せて、「forever カトリーヌ♪」と、黒木瞳さんの役名も一緒に歌われたりしておりました。

 その後、「カトリーヌ」が「TAKARAZUKA」に固定され、いつの間にやら現在の形に……。メロディラインの優しさが際立つ曲です。Hondaのコマーシャルで歌っておられる安蘭さん、そして同じく宝塚OGの悠未ひろさんの声にはコクがあり、女性にしては低めの歌声が心に深く染みてきます。

 ところで、こうした自画自賛ソングの意味はどこにあるのか。宝塚歌劇団にとってはもちろん宝塚を肯定する目的があるのでしょうが、ファンの心理にも大きな影響を及ぼしていると思われます。自画自賛ソングを聞いて育った内気な宝塚ファンは、「自分を認めていいんだよ! ほら、宝塚も宝塚自体をこんなに肯定している!」というメッセージを無意識に受け取り、自己肯定するきっかけをもらうのではないでしょうか。世の女子の生き方を力強いものにするエネルギーの塊、それが宝塚の自画自賛ソングなのかもしれません。だからこそ、こっそりファンの中だけで楽しみたいのです。CMなどという公の場で流してしまうと、宝塚ファンにとってのひそやかな自信の源を白日の下にさらしてしまうことになり、ちょっぴり恥ずかしい気もするのです。しかし矛盾するようですが、宝塚ファンの生き方を世の中に肯定してもらえている気もして、うれしさ半分、恥ずかしさ半分、です。

 宝塚ファンとしての自己肯定も、度が過ぎると、いつしか周りを顧みないやっかいなおばさんになってしまうかもしれないという一抹の不安が、アラフォーのwojoには芽生え始めてもおります……。いや、実はもうなっているのかもしれない。気をつけます……。

wojo(ヲジョ)
 都内某病院勤務のアラフォー女医。宝塚ファン歴20年で、これまでに宝塚に注いだ“愛”の総額は1000万円以上。医者としての担当科は内科、宝塚のほうの担当組は月組。先日、西日本の某県で開催された学会に出席したのですが、同時期にたまたま宝塚月組もその地で公演中だったので、ちょっとさぼって観に行ってしまいました。ほかにも学会をさぼって見に来ておいでの先生がいるんじゃないかとドキドキしながら行ったのですが、劇場にそれらしい人はまったく見かけませんでした。まあ、そりゃそうですかね……。

チョロQ zero Z-23b Honda N-ONE (黄)

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担当者がヅカヲタなのかな?

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