藤波辰爾が語る「金曜8時のプロレス」と「今のプロレス」 “ドラゴン・リングイン”は計算だった!

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──前田さんに限らず、戻ってこれる人には戻ってきてほしいという気持ちですか。

藤波 そうだね。昔からのファンが今も思い焦がれてるようなスター選手は、もう一回、夢を与えるためにリングに立ってあげるべきだね。身体が動くならね。長州なんか一度引退したのに、僕より元気いいですよ。肌の色真っ黒で(笑)。

──藤波さんはレスリング主体のクラシックスタイルのプロレスを提唱されてきましたが、危険技連発で過激化した最近のプロレスに関しては、どのように考えていますか。

藤波 選手にすれば、ファンに自分たちの凄さを見せようという気持ちがあって、どうしても自分たちの力量以上のことをしようとする。それが危険な方向にいってしまうんだろうね。かといって、地味にすればいいのかということじゃなくてね。本来、プロレスで魅せる部分というのは、ものすごくたくさんの引き出しがあるものでね。いろんな引き出しを開けてみることが必要じゃないかと思いますけどね。

──格闘技というライバルができたことも関係しているのでしょうか。

藤波 総合格闘技やK-1ができたから、どうしても過激さで対抗しようとして惑わされちゃうよね。最初から殴り合ったり、大技でブン投げたりとか。プロレスは本来、手を取ったり足を取ったりして相手を崩して、それから関節や固め技をやって、それでも決まらないから大技を出すという流れがある。そういったレスリングのスタイルを自分たちで追求すれば、もっとファンの目をプロレスに向けさせることは可能だと思うんだけどね。

──格闘技に乗りこんで対抗しようとする選手もいますね。

藤波 確かに異種格闘技という形で対抗すれば、見てる方は面白いわけですよ。日本人は強さを追求したくなっちゃうタイプだから。プロレスもアメリカみたいに演出だけじゃダメで、日本人は「誰が一番強いのか」というのを追及したくなる。でも、プロレスは格闘技と違ってドラマを見せる場所でもあるからね。異種格闘技をやっちゃいかんということはないけど、僕はプロレスを追及して対抗していけばいいんじゃないかと思う。

──今のプロレスを見てると、どうしても大技連発になってしまうので、観客の感覚がマヒしてしまう部分があると思います。プロレス黄金時代に、ブルーザー・ブロディが単なる二―ドロップを必殺技にしていましたが、今では考えられないほどの説得力がありました。ああいうものが、今はあまりないかなと…。

藤波 うーん、技の重みが失われたというかね。技が高度化してプロレスが進化するのは良いことなんだけど、残さなきゃいけない大事な部分を区別していかないと。選手がそういう意識を持っていないと。お客さんの試合を見る感覚がそうなってしまうからね。別に最初から激しくドタバタ殴り合わなくても、お客さんは試合の時間経過とともに色んなことをイメージしながらリングを見てくれるんです。想像しながら楽しむ。そういうイメージ作りをせずに瞬間的に盛り上がる大技にばかり頼ってると、お客さんの楽しみが半減しちゃうよね。

──話は変わりますが、数年前に「アメトーーク」(テレビ朝日系)というバラエティー番組のプロレス特集で藤波さんが話題になっていたのはご存知ですか?

藤波 見てましたよ。本人はマジメにやってるのに、あんなにイジられるとはね(苦笑)。

──ああ、ご覧になってたんですね!(笑)

藤波 ああいうイジり方だったけど、それだけ彼らも当時のプロレスを熱く見てくれていたのは分かるからね。そういう形からでも、当時を思い返してくれれば。

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