TVアニメ『魔女の旅々』鬱から一転、ほっこり回となったが…第5話

TVアニメ『魔女の旅々』公式サイトより

 前回まで鬱展開が続いていた魔女の旅々。今回は安心して観れるほっこりストーリーだ。となる町で本を手に取ったイレイナ。それは彼女が魔女になるきっかけとなったミケの冒険譚に似た「フランの冒険譚」という本だった。 パラパラと内容を手繰ってみると中身の挿絵やタイトルから、懐かしのあの人が思い浮かんでしまう。そのままイレイナは半年前に立ち寄ったある国の思い出を回想する。

 王立セレステリアに立ち寄ったイレイナ。街中は魔法使いが多く、それぞれが街中で魔法を使って人々を楽しませる活気ある雰囲気を感じながらイレイナは散策を続けていたいた。

 その中でイレイナは王立魔法学校という施設を発見する。魔法学校という響きに興味をひかれたイレイナはダメそうだとは感じていても誘惑に勝てずに門を魔法で開けて強行突破してしまう。だが勿論守衛に見つかり止められてしまう。魔女ということで敬意をもって接してもらったが、それでも関係者以外は立ち入り禁止である。

 魔法学校侵入を諦めたイレイナはとりあえず今晩の宿を探すことに。だが突然、彼女の行く手に魔法学校の生徒が現れる。何か話があるのかとほうきを止めるが、「何も聞かずに自分たちについてきてほしい」といわれる。理由も言われずについていく言われもないイレイナはこのお願いを断り宿へ急ごうとする。だが、気付くと彼女の周りは魔法学校の生徒に囲まれてしまっていた。

 ここから、多くの魔法学校の生徒VSイレイナのほうきによる鬼ごっこがスタートした。街の地理に詳しくないイレイナは地の利のある生徒たちに度々挟み撃ちになったりするが、持ち前のほうきの運転さばきのおかげで軽やかに逃げきっていく。
 
 お互いかなり白熱し、すっかり辺りは夕暮れに差し掛かる。束になってもイレイナを捕まえられない生徒たちの前に、彼らの先生が現れる。へとへとになった生徒たちに「束になっても捕まえられないのはよくわかったでしょう。これが魔女とあなたたちの実力の差なのです」と言ってのけたのは、なんとイレイナの魔法使いの師匠であるフランだった。

 思いがけずに師弟の再会となり驚くイレイナ。どうやらフラン先生は魔法学校で先生をやっているらしく、生徒たちとイレイナの追いかけっこは課外授業の一環にされていたらしい。それというのも、イレイナが魔法学校に無断で入ろうとしていたことを守衛から聞き、その特徴からイレイナではないかと感じたフラン先生がぜひとも会いたい、と生徒たちを使って彼女を捕まえようよしたのだ。

 結果、イレイナが立派な魔女として成長していることも感じられ、生徒たちにも自分たちとの差を明確に示せるよい機会となった。

 イレイナが旅をしていたことを、彼女の母から聞き及んで知っていたフラン先生は、彼女が旅人を志したのは母親の影響なのかと尋ねた。その質問にぴんと来ていない様子のイレイナ。彼女はニケの冒険譚を読んで旅人に憧れたことを話すと、先生もこの本の愛読者だということが語られた。二人が共通して好きなエピソードは魔女見習いのフーラの話。ニケがフーラを成長させフーラがニケのあとをついで旅人になり、ニケは一般人に戻るといったもの。 あれ?

 この話、もしかして……? と視聴者はひっかかりを覚えたがイレイナは全く何も気づかない。

 先生はそのまま話を続け、自分もニケに憧れて冒険譚を書いてみたことがあるという。100枚程度書いたところで読み返し、その稚拙さに恥ずかしくなりカバンの奥底にしまいこんでしまったが、間違えてそのままそのかばんを売りに出してしまったのだという。たまに思い返しては顔から火が出るように恥ずかしい気持ちになるようだが、それもまたいい思い出になっているようだ。自分の経験からも、フランはイレイナに日記をちゃんとつけて、いつかまた自分にも旅の思い出話を聞かせるようにと告げた。

 その後、イレイナはこの国に滞在する間、先生の手伝いとして魔法学校で特別講師をすることに。昨日散々街中を追いかけっこしまくった相手に先生として魔法を教えるのだ。

 生徒たちの個性も様々で、授業は笑いが絶えない。イレイナも人に教えるということを普段あまりしないために、この体験は新鮮に楽しめたようだ。

 数日そんな風に過ごし、また旅に出る日が迫ってきた。旅立ちの前日、先生のお気に入りの場所で共に夕日を眺めるイレイナ。美しい夕焼けが見れるこの場所をイレイナに見てもらいたかったと語る先生は、弟子の旅立ちは仕方ないものとしてもやはりさみしいようだ。

 イレイナは、学校の生徒たちが卒業したあとどんな進路に進むかを先生に尋ねてみた。すると答えはとてもシンプルに「普通に働く」というものだった。街中で見た田道芸をやっているもの、ほうきで荷物や人を運ぶ人たちも、皆この学校の卒業生なのだという。大道芸などはお給料も雀の涙程度のものしかないらしいが、それでも彼らがそういった行動を続けるのは、魔法が好きだから。というシンプルな理由だ。

 イレイナが旅を続けるのと同じように、この街で生きる人々は皆、魔法が好きだからそれを使い誰かを笑顔にしている。

 この国に来て、イレイナはことあるごとに「素敵だな」と感じていた街の中で見る様々な人が笑顔で無理なくすごしていたその姿だったのだ。その感じが自分の旅とも通じるものがあると感じていたらしい。
 
 フラン先生はその話の流れから突然イレイナに好きなものは何かと尋ねてきた。明日出発を予定しているイレイナは、先生が何か餞別をくれるのかと思ったが最終的には「花」を強制的に選ばされる。

 とにかく、明日の朝城門前で落ち合うことを約束し、二人は別れる。そして約束の朝がやってきた。

 だが約束の時間になっても先生は現れない。花をプレゼントしてくれることを予想していたイレイナは、花がいつか枯れてしまうこと。もらった花を大事にとっておいて、旅の途中で枯れたら悲しい気持ちになってしまうことを想像し、会わずに去ってしまうことを決意する。

 だが、その瞬間頭上から花びらが舞ってきた。上を見上げると、先生はもちろん、魔法学校の生徒もみんな揃ってカゴから花びらをイレイナに向けて降らせていた。

 この花びらは先生と生徒たちが皆、イレイナの旅の無事を祈る気持ち。またいつかどこかで会おうという約束の印。久しぶりにあった先生とこの国で初めて出会った生徒に見送られ、イレイナはまた旅に出たのだった。

 そして回想が終わり、冒頭の本である。これは、先生が話していた失くしてしまった書きかけの小説を元にした本なのでは? と訝しむイレイナ。どうやらこの国では先生の本はかなり売れているらしく、グッズ展開や銅像まで作られていた。この話を、またどこかで先生に会ったらしなくては、と思いながらイレイナはまた今日も旅を続けるのだった。

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