TVアニメ『Lapis Re:LiGHTs』尻切れトンボ感が否めない最終話

TVアニメ「Lapis Re:LiGHTs」(ラピライ)公式サイトより

 いよいよ最終回。色々詰め込むことが前提なのでOPは無し! もってるアイテム全部乗せ! ティアラたちは間に合うのか!?

 エリザが学院に転移し、理事長クロエも戦闘の準備を進めていた。街の外では兵士たちが集結し魔獣と対峙。一触即発の気配だ。だが、街中は祭りでにぎわい、まるで戦闘などどこか遠いところで行われるかのようなムード。こんなに落差があっていいのだろうかと不安になる。まぁ戦闘に加わらない人はこれくらい能天気にしていた方がもしかしたらいいのかもしれないが、それにしても他人事すぎるだろうという印象がぬぐえない。

 オルケストラに参加するメンバーは緊張感を醸し出しつつも自分たちの歌で街を守るため、日食の時間に合わせてそれぞれの場所でステージに現れる。このオルケストラシーンがSadistic★Candy、この花は乙女、シュガーポケッツ、IV KLORE、supernovaのメドレーとなっていてそのシーンは見ごたえがあった。

 華やかなステージの裏、名前もないモブ兵と理事長が決死の覚悟で戦っている対比など、学生にのしかかる負担がでかすぎる気もしないではないが、彼女たちのパフォーマンスと客の応援で街が守れるかがかかっているかと思うと、観客もう少しがんばれよと思わずにはいられない。

 戦闘が街とどれくらい離れたところで行われているかわからないが、学院の理事長が最前線に立たなければならないって一体どういう政治構造なんだろう。一部に負担がでかすぎる国怖い。

 兵団を支える魔力はオルケストラのパフォーマンスによって溜まっていく。しかしsupernovaのパフォーマンスをもってしても、期待値まで届かずこのままではかなりまずい状況になってしまう。そう思った瞬間、上空から突如LiGHTsがやってくる。主人公は遅れてくるもの。おいしいところをかっさらっていくもの。

 上空で目を引くパフォーマンスをしたことでエネルギーも十分にためることができ、その力で魔獣たちを一掃する攻撃を仕掛けることができたのだった。

 かなりめでたしめでたし感はあるものの、退学になった組み立てのユニットがこんなあっさりエネルギー貯められるなら他のグループがあと数曲やればいいのでは……とかも思ってしまうなぁ。ご都合でやらないと主人公グループの存在意義がなくなってしまうから仕方ない部分もあるのだが。

 無事窮地を救えたことで、各ユニットはLiGHTsを囲んで再会を喜び合う。だが、突然ティアラのつけていたティアラが(ややこしい)強い光を発しその直後ティアラが倒れてしまう。
突然倒れたティアラに騒然とするが、そこにエリザが現れたことによってティアラが倒れたことよりそちらに注目が集まってしまう。みんなもっと心配してあげて。

 エルザ曰く、ティアラが倒れたのは彼女がつけているフィリアリギスの髪飾りが発動したからだと解説を始める。このティアラには歴代の記憶が記録されているいわば年代記。ティアラは意識の中で過去の記憶に触れていた。自分の記憶、母の幼少期の記憶、そして姉の記憶。

 姉の記憶を見たティアラは彼女が負担のかかる魔法を酷使して街を守ってきていたことを知った。その魔法のせいでどんどん喉に負担がかかり歌が歌えなくなっていったのだが、妹の病気を治すためにそれでも歌を歌い続けたのだ。

 ティアラは目を覚ますと、姉が自分の声ではなくメアが使っていたベリーボードを改造したものを使って疑似的に声をだしていたことを指摘する。エリザはその事実を認め、それでも妹を助けたかったこと、声がでなくなったことを悟らせないために、ティアラと距離を取っていたことを打ち明ける。

 声を失ってもなお、それでも妹を守りたいというシスコン全開の姉の気持ちを受け、ティアラは決意をする。姉に自分を今後も守ってもらうのではなく、自分が姉の声を取り戻すという決意だ。だが、ティアラの魔力はエリザに比べるとまだまだ低くそれは到底見込めない。だがティアラはいつも通りの根拠のない自信で「仲間がいるから大丈夫」とナチュラルに姉の声を取り戻すことに仲間を巻き込むことを宣言する。

 ロゼッタたちもそれに対して何も異論はない様子。いいのか、流されてしまって。あまりにも堂々と宣言するものだから、エリザもその宣言を受けて「その時を楽しみにしている」と応援する側に回ってしまった。

 なんとなく大団円な雰囲気を大いにまとい、ティアラが突然歌いだしアニメは終了してしまった。最後にはまたしても学院の制服を着ているLiGHTsの姿が……。あれ? 退学は結局なしになって戻れたってことなに? え、なんで? これがアニメの最後でこのあとのストーリーはゲームで‥…ってことになるのかもしれないが、色々放り投げたような感がどうしてもぬぐえないラストにモヤモヤがどうしてもぬぐえない。

 2期の発表なども特になかったので、このアニメから火がついてゲームがラブライブ! のように盛り上がって次のラブライブ! 的ブームに持っていければいいのかもしれないが、正直このラストを見てゲームもやりたい! 続きが気になる! というところまで持っていけていないような気がしてしまう。

 そもそもアニメ始まったタイミング、もしくは最終回のタイミングでまだゲームが遊べないのはファンを取り込むには最悪なのではないだろうか。作画も綺麗でキャラも可愛く、のめりこむにはもってこいのタイミングだったはずだけに色々残念さが目立った作品であった。

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