TVアニメ『Lapis Re:LiGHTs』オルケストラをすれば魔獣から国を守れるという思い込みはどこから？第11話

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　ティアラに会うために王宮にやってきたロゼッタたちだったが毎日ごちそうを食べ、遊んで寝るというぐうたら生活を謳歌しすぎて目的を見失っていることに気付く。

　ティアラは外に出ようとしても外出求められる生活の中、衛兵が減っていることに気付き、その事実をアンナに問い詰めると、魔獣討伐に彼らは駆り出されているという情報を知ってしまう。しかもその魔獣は、フローラ女学院のあるマームケステルに迫っていることも知り、元学友たちの身に危険が迫っていると、不安に駆られてしまう。

　ロゼッタの実家も魔獣に襲われて家業が続けられなくなるなどの被害があったようで、彼女がバイトをしていた理由が意外なところから発覚した。ティアラはやはり自分もマームケステルに戻って力になりたいと姉に抗議に行くが、全く聞き入れてもらえない。確かに、今の段階で衛兵の討伐隊などが出回っている中で、何の策も力もないティアラが意気込みだけで向かって何になるというのか。

　冷静な姉にやんわりとたしなめられても、「お姉ちゃんのわからずや！」と聞く耳を持たないティアラ。なぜ、このタイプの主人公は人の話しを聞かないのか……。魔女としての実力もなく、ただ心配だからと押しかけるだけでは迷惑になる未来しか見えないのは明白なのに。

　他の面々も、みんなで力を合わせれば！　などと楽観的なことを言っている。怖い。それなら王室なんだから現実的に物資を送る、金銭的なサポートをするなど色々やりようはあるだろうに、なぜ「自分が行けば力になれる」と頑なに信じられるのか？

　一方、フローラ女学院ではIV KLOREからエミリア、この花は乙女からナデシコ、シュガーポケッツからラトゥーラ、supernovaからユエ、そしてSadistic★Candyからアンジェリカが集められていた。

　彼女たちはケステル祭という祭りでオルケストラを披露する予定だったが、このオルケストラを全て同時刻に開催してほしいと頼まれる。それというのも、この国に魔獣の群れが近づいており、それをかわすための魔力を一時的に大量に集めなければならないからだと説明される。

　魔力が足りなければこの国は魔獣に襲われ、住まう人々に甚大な被害が出てしまうという。突然大きな責任を負うことになってしまった彼女たちの表情も曇ってしまう。だが、フローラ女学院ができた由来も魔獣退治に関係していたこと、アンジェリカが皆のあこがれるRayのアンジェであり、彼女の力も借りることなどを説明されこの作戦に協力する意思が出てきたようだ。それをメンバーに告げるとそのプレッシャーに押しつぶされそうになってしまうメンバーも現れる。Rayがこのために再結成するとかの方が観衆の応援もかなり熱が入り魔力が溜まりそうな気もするのだがそういう案はないようだ。

　ティアラたちは結局王宮にとどまるように説得されていたが、その間に姉のエリザは一人転移魔法で学院に向かったようだ。そうだよ、彼女は力のある魔女なんだから向かうだろうよ。その転移魔法を見たティアラたちはどうにかして自分たちもいけないかと考えるが、魔獣討伐の為の祭りは明日行われることを知る。

　魔獣が祭りに合わせてくれたのか、魔獣が来ることを見越して祭りの日程を合わせたのか。どちらにしろ祭りという状況じゃないだろうという感じはある。とにかく開催が明日だと馬車だと物理的に間に合わない。

　落ち込むティアラたちの姿を見て、メイドのアンナは自分に秘策がある。といいだし彼女たちに出発の準備をさせる。なんと、アンナは飛行艇の運転ができるのだという。空という移動手段があったのか……というような後だし商法。そして突然有能すぎるメイド。ツッコミどころは満載だが、熱意だけを持ち何の策もないままティアラたちは出発する。

　自分たちがオルケストラをすれば魔獣から国を守れるというその思い込みは一体どこから？　そう問いたくて仕方がない。

　とにかく次週は最終回。元々オルケストラをやる面子だけでは魔力が足りず絶体絶命な場面になったところで、ティアラたちが駆けつけて歌って解決するのだろう未来が見える。そこをどう裏切ってくれるのか、それとも予想をおおきく上回る感動を届けてくれるのか、有終の美を飾ってくれることを期待したい。
（文=三澤凛）