『あなたの鼓動を見させて。』遂に完結も、あまりのグロさに閲覧注意！サイコパス・佐和こころは必要悪だったのか！？

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あなたの鼓動を見させて。/MITA 棚橋なもしろ

　主人公が贓物を愛する女子大生という特異な漫画『あなたの鼓動を見させて。』（小学館
）が第５巻の発売をもって、ついに完結となった。

　最終巻では、「ヤブカラシ」の関係者が監禁されている、主人公でありヒロインである佐和こころの部屋に、彼女に恋をしていた夏川ダイキが訪れるところから始まる。以下、ややネタバレとなることをご容赦いただきたい。

　ここで、夏川ダイキが佐和こころに匹敵するサイコパスだったことが明かされる。二人が繰り出す贓物への愛は、あまりにも錯綜していて、読んでいて気分が悪くなる。佐和こころ、夏川ダイキは漫画史上、最高レベルで歪んだ精神を持ち、狂っていると言っても良いだろう。

　佐和こころはついにここで自らの夢であった夏川ダイキの動く心臓を見ようと動くのだが、その描写が見ていてかなりキツイ。グロすぎるし、痛いし、狂っているし、濃いホラー漫画が好きな者でも、それなりの覚悟が必要かと思われる。

　なんと言っても生きたまま胸を開き、意識があるまま心臓を切り出すのだ。しかも、命乞いをしているのにも関わらず、容赦が全くない。筆者はこれまで漫画や映画を含め、数多くグロテスクな作品に触れてきたが、最終巻の心臓を取り出すシーンは本当に読んでいて辛かった。初めて、あの最高にグロテスクな『ギニーピッグ』を観たときのような感情を思い出させられた。

　その後の展開が意外とあっさりしているが、皮肉を込めた終わり方しているのが印象的である。猟奇的な殺人者や単なるサイコパスとしての絶対悪として、佐和こころは描かれない。むしろ必要悪だったのではないか、とも考えられる終わり方だ。

　人によって色々な意見に分かれそうだ。映像化…なんてしたらエログロホラーとして一級品になるのではないかと妄想してしまう。
（文=Leoneko）