『娘の友達』“連載中止要求”騒動に疑問 講談社には「一件も抗議は来ていません」

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「娘の友達」第1巻(講談社)

 講談社のウェブコミックサイト「コミックDAYS」で連載中の萩原あさ美氏の作品『娘の友達』をめぐる騒動が苛烈さを増している。

 この作品は家庭もある中年の主人公・晃介が娘の友達である少女・古都と出会い、「決して抱いてはいけない感情」を持ってしまうというもの。現在に第2巻まで刊行されている単行本では抱いてはいけない感情ゆえに尻込みする主人公が女子高生にキスされたり、ホテルで裸の女子高生を抱きしめたりして次第に人生が変わっていく姿が描かれている。

 そんな作品に対してネット上で「フェミが連載中止を要求している」などとして「表現の自由」を標榜する人々から「怒り」が吹き上がっているというのである。

 主にTwitterで繰り広げられる「フェミVS表現の自由」の戦いのテーマは日替わり、週替わりで発生するのが恒例になっているが、ここ一週間ばかりが、この作品なのである。

 とりわけ、この騒動を拡大させたのが11月20日にニュースサイト『BLOGOS』に掲載された《女子高生と中年男性の関係を描く漫画『娘の友達』が物議 「性的搾取を助長する」との声も》という記事である。

 この記事では小見出しで「「犯罪を扇動」連載中止を求める声 一方で反論も」と記されたこともあってか多くの人々が、この騒動に言及する材料になっている。

 武蔵野市のやぶはら太郎市議は記事を引用した上で「この作品の連載を中止しても犯罪は減りません。」と発言。

 前衆議院議員の宮崎タケシ氏は「十年以上前にブログで書いたが、フィクションが違法行為を助長するとして規制されるなら、少なくない模倣殺人を生んだであろうドストエフスキー「罪と罰」やカミュ「異邦人」も規制しなければならなくなる。抽象的理由による表現規制はアホ丸出しで、やめたほうがいい」と発言している。

 あたかも「連載中止を求める声」が多数あり、それに対する批判の声があがっているように見えるが、実際タイトルなどで検索してみても、そんな声はほとんど見当たらない。恣意的に作品に批判的な意見だけを拾った、まとめサイトなどではあたかも「多くのフェミが連載中止を求めている」ように見える。ところが実際には作品に対して「キモイ」「あり得ない」などと感情的なツイートが散見されるに過ぎないのだ。

 では、実際に「連載中止を求める声」が直接出版社に向かっていたりするのか? 講談社に取材したところ、答えは極めてシンプルだった。

「電話でもメールでも作品に対する抗議はひとつも来ていません」(編集部・談)

 一部の感情的に作品を批判しているような奇矯なツイートだけを観て、過剰に危機感を持っている人が多いのではないかと思いきや、まさにその通りだったのである。

 この間、Twitterの中だけで「フェミVS表現の自由」の争いは、あたかもハルマゲドン前夜かなにかみたいに拡大されている。とりわけ「表現の自由を守る」と称する人々の間で繰り返されているのは、奇矯な発言を見つけてきて、その存在すら「なにかあってからじゃ遅い」とばかりに必死に叩きつぶそうとする行為である。

 彼らが「フェミ」と蔑称で呼ぶ人々もフェミニズムではないし、彼らの側も「表現の自由」を守っている存在ではなく、単なる言論/表現の自由の弾圧者となっている。

 ようは不幸な人々同士の共犯関係による憎悪の拡大再生産と呼ぶべきか。まったく、なんとくだらない人々なのか。
(文=昼間 たかし)

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