映画『二の国』、脚本もアレだが、演技も作画も普通に低クオリティー「なぜこうなった?」を真面目に考察してみた

 引き(ロングショット)でのキャラクターは大胆に崩れていますし、芝居(キャラの動作付など)もあまり巧みとは言えません。何より「このシーンは物語の山場だな」と思えるシーンでの表情や動かし方が、昨今の劇場アニメと比べるとアレです。ついでに言えば、3DCGもいかがなものかという出来栄えです。

 現場に回る制作資金が乏しかったのかもしれません。時間がなかったのかもしれません。しかし、「手を抜けるところは手を抜いて、見せ場に注力する」といったクオリティーコントロールをもう少し上手く行い、何とかしてほしかったところ。

 監督の百瀬氏は1953年生まれのベテラン。故・高畑勲監督作品で手腕を振るった、名アニメーターであり名演出家です。『高畑勲展』へ行くと、百瀬氏の仕事の一旦が垣間見えますが、展示物はどれも凄まじいばかりのクオリティーです。一方で、プロフィールを拝見する限り、長編劇場アニメやTVアニメシリーズの監督を務めた経験はないようです。それが響いたのかもしれません。

 アニメーション制作を務めたのはOLM。『ポケットモンスター』シリーズで有名なスタジオです。高い知名度に反して、作画能力に対するアニメファンからの評価は芳しくありませんが、OLMはキッズ向け中心とはいえ、TVアニメシリーズの制作を常時5~8本抱えています。

 さらに劇場版アニメを映画『二の国』を含めると3本も今夏に公開、今冬公開作品も1本抱えています。むしろ、よく落とさなかったと評価すべきなのかもしれません。

■永野芽郁がダメなわけではなく、問題はミスキャストなのでは

「主要3人の演技、特に永野芽郁が酷い」といった感想がネット上をにぎわせていますが、噂に違わぬ酷さでした。

 ちなみに、筆者自身は永野さんそのものは好きです。かわいいし。ですが、コトナ/アーシャというキャラクターとは、壊滅的に相性が悪いとを認めざるを得ません。

 なぜ、彼女はキャスティングしたのか、本当に不思議です。原作ゲーム『二ノ国 漆黒の魔導士』では主人公の少年・オリバーを多部未華子さんが演じていますし、レベルファイブの看板作品の一つ『レイトン教授』シリーズでも、主人公のレイトン教授を大泉洋さんが演じています。芸能人の起用には慣れていますし、抵抗もありません。しかし、今回ばかりは声を大にして、ミスキャストであると訴えたいです。

 なお、永野さんの声の演技の上手い下手だけを純粋に評価すれば、「若手女優として普通ぐらいか、むしろやや上手い方」といったところだと思います。あのルックスを加味して考えれば、今後もぜひアニメへ進出してほしいです、今度は声質にあったキャラクターで。

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