映画『二の国』、脚本もアレだが、演技も作画も普通に低クオリティー「なぜこうなった?」を真面目に考察してみた

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『二の国』公式サイトより

 8月23日公開後、「早くもドラクエユアストーリー越え」といった酷評を招き、一躍「今夏のダメ映画戦線」のトップに躍り出たのが、劇場アニメ『二の国』(以下、映画『二の国』)です。

 監督を、長年でスタジオジブリでアニメーター・演出を務めてきた百瀬義行氏、音楽は久石譲氏、そして製作総指揮・脚本はレベルファイブ・日野晃博社長自らが担当。

 主役とヒロインを山崎(※右は立)賢人さん、新田真剣佑さん、永野芽郁さんと人気の若手俳優・女優が演じる一方で、脇を宮野真守さん、坂本真綾さん、梶裕貴さん、津田健次郎さん、山寺宏一さんら声優陣で固める、盤石の布陣を敷いています。

 ……にも関わらず、なぜ『二の国』は観賞したファンが怒るどころか、「虚無しかない」と脱力させるような、アレな出来となってしまったのでしょうか。解説と感想を交えながら紹介します。

■見せ場でもいまいちな作画、ジブリの幻影を追い求めると危険

『二の国』はもともとレベルファイブが手掛けてきたゲームです。まず2010年に『二ノ国 漆黒の魔導士』をリリース。その後、『二ノ国 ホットロイトストーリーズ』、『二ノ国 白き聖灰の女王』(基本的なストーリーは『漆黒の魔導士』と同じ)、『二ノ国II レヴァナントキングダム』とシリーズを重ねてきました。

 映画『二の国』は完全新作ストーリーですが、『レヴァナントキングダム』を中心とした歴代ゲームの設定や特徴を引き継いでいます。

『漆黒の魔導士』『白き聖灰の女王』の作中アニメパートは、監督を百瀬氏、アニメーション制作をタジオジブリが担当し、ジブリらしい高クオリティーぶりで、ゲームファンからも人気を博しました。

(※『レヴァナントキングダム』では、ジブリが製作部門を解体(17年に復活)、百瀬氏が同社を退職したこともあって、アニメパートは非搭載。百瀬氏はキャラクターデザインを担当)。

 以上のような経緯があるだけに、原作ゲーム『二ノ国』ファンの中には、映画『二ノ国』に、かつてのジブリ作品のような美麗で繊細な作画を、無意識のうちに追い求めていたフシがあります。筆者自身もそうでしたし、そもそもキャラクターたちもジブリとレベルファイブを足して割ったようなデザインですし(同作のキャラクターデザインは西谷泰史氏が務めています)。

 ところが、映画『二の国』の作画は、ジブリ並みどころか、一般的な深夜アニメと比べても、良くて中の中、悪ければ下の上といったクオリティーです。

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