「10年頃から手紙の受け取りが始まって、オリキがものすごく増えた。その前も誕生日だけは手紙を渡していいってルールがあったりしたけど」
つまり、ヤラカシの全盛期=平成処女軍団のいた時期、ということだったのかもしれません。もう10年以上も前の話なので、あくまでも推測になりますが……。
「まだ『エビキス』だった頃、あるキスマイメンバーが怒ってヤラカシの髪の毛を掴んで頭を引っ張ってたのを友達が目撃して、それを身内の間で『ファイヤービート』って呼んでた(笑)。傍から見るとDVにしか見えないから駅員が飛んできてたけど。Jr.あるあるとして、売れてくると完全に無視を覚えるけど、Jr.側も中高生だから、説教してる自分がかっこいいと思ってる節があって、初めてヤラカシがつくと何をするかっていうと『お前オリキになれよ』って説得するの。でもオタクは頭がおかしいから『○○くんが話してくれた~幸せ~』って思っちゃってさらにヤラカシが激しくなる、悪循環(笑)」
りささんは現在もひっそりとジャニオタを続けていますが、就職難の波に揉まれながらの就活を経て多忙な業種に就いたことをきっかけに「真人間になろう」と反省してヤラカシを辞め、以降はコンサートに入る程度のごくごく普通のオタクに。
連載第2回では「ちゃっかり」だったヤラカシが登場しましたが、りささんに「ちゃっかり」(楽屋口近辺におらず、乗換駅などでアイドルに話しかけるヤラカシ)についての見解を聞くと、こうバッサリ。
「ヤラカシからすると『ちゃっかり』はキモい。ヤラカシの間では馬鹿にされてる。ビクビクするくらいだったら堂々と待てばいいじゃん。最近のヤラカシは『ちゃっかり』が増えて、昔よりは凶暴じゃなくなってると思う。昔はちゃっかりって言葉はなくて、多分10~11年頃にできた言葉なんじゃないかな」
また、りささん曰く「リアスト」という言葉もあるという。
「最寄り駅にいたりするのはリアスト。とあるJr.のヤラカシに、Jr.の最寄り駅で自転車にまたがってネギを持って主婦に偽装してるリアストのおばさんがいるって噂がある(笑)」
ヤラカシ、強め、ちゃっかり、リアスト……。単に「ヤラカシ」という言葉だけで括りきることができない細かな分類の深みに、私はハマってしまいました。アウトローの中にもカーストあり。外道の中にも貴賤あり。どんな世界にも、上下関係はあるのです。
さて、次回はりささんから紹介を受けた「ラスボス」的な存在の元ヤラカシにインタビューを敢行しました。00年代後半が特異的に「ヤラカシ黄金期」だったことが解ったところで、さらにその時代の実情を深堀りしていきたいと思います。
(文=めりぴょん/山野萌絵)
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