もこうが京都アニメーションに99万円募金した理由　一方、犯人を擁護し事件をネタにする不謹慎YouTuberも

• ツイート
• 

　京都アニメーションで発生した事件を受け、アニメ専門店・アニメイトは７月19日から被害者支援を目的とした店頭募金を全国の店舗で実施されている。Twitterなどでは、お札でいっぱいになった募金箱が多数確認できる。京アニを愛するアニメファンの想いが詰まった代物と言えよう。

　その中で、ゲーム実況で知られるYouTuberの「もこう」は、99万円を募金する動画をTwitterに投稿。「作品とかに思い入れがある人はぜひアニメイト寄ったら募金をしてほしい」と呼びかけ反響を呼んでいる。

　もこうは主にニコニコ動画で活動していた頃、「ハレ晴レユカイ」の踊ってみた動画を投稿した過去があるが、基本は『ポケットモンスター』を中心としたゲーム実況で知られる。YouTuberの中には、大金を使って世間からの注目を浴びようとするものがいたりするが、今回の募金には確たる理由があるという。

　7月23日、もこうは自身のチャンネルに「久しぶりに腹立ったから99万募金してきた」と題した動画を投稿。タイトルの通り、もこうはあることに苛立ちを覚えたため、99万円の募金をした。

　もこうは基本、悲しいニュースや事件には極力触れないスタンスをとっているという。今回の京アニの事件についても「YouTube LIVEとかでコメントがめっちゃくるし、『なんか言えよ』とすごい言われた」が、徹底的に無視。理由は、アニメを見ていただけの無関係な自分が事件についてコメントをすることが「すごい気持ち悪い」と感じているから。

　しかし、自分の配信動画に京アニ事件をバカにするようなコメントがされ、自身のチャンネルについて「民度が低すぎる」と他所から言われてしまったという。また、事件をネタにするような迷惑リスナーを放置しているもこう自身が、そういった輩と同類とされることに理不尽さを覚えたという。

「なんも言わないだけで叩かれるのが気持ち悪い」「だったら、自分なりできることをやってアピールせなならんと思った」と思い立ち、99万円の募金をすることを決めたという。動画では、引きこもり時代に京アニのアニメに触れ、支えられていたことについても語っている。詳しくは彼の動画を見てほしい。

■京アニ事件に“便乗する”YouTuberたち

　また、この動画でもこうは「YouTubeで『放火魔は悪くない』とか言ってるしょうもないクズがおる」ことにも触れ、「自分の視聴者にそういうことを言える人間がいるということが一番腹立たしくて気色悪い」と怒りをにじませていた。

　事件の直後、ある男性YouTuberが「京都アニメーションを燃やした男は悪くない！」という動画を投稿し炎上をしている。そのYouTuberは「男は悪くないっすね。これ、正当防衛なんですよね」と犯人を擁護。京アニに作品をパクられて起こした行動だから、犯人は悪くはない、という見当違いすぎる論説を繰り広げていた。

　だがYouTube上には、この男性YouTuberに便乗し同じく「放火魔は悪くない」と唱える別のYouTuberが現れている。またデタラメな犯人擁護をするYouTuberを批判する動画をアップするYouTuberも確認できる。後者は一見善人に見えるが、これもまた事件をネタにしているようにも思える。

　もこうは「YouTubeでいろいろ言うだけなら、99万円募金した方がいいだろう」とも話していた。他人の不幸をネタにする前にやることがあるのではないだろうか。