『かつて神だった獣たちへ』殺人者か英雄か?矛盾と葛藤が入り混じる討伐を目の前にしたとき……第3話

 今期注目のダークファンタジー『かつて神だった獣たちへ』。第3話がオンエアされた。

03『ミノタウロスの要塞』
 父の仇である獣狩りの男【ハンク】と共に旅をすることになった【シャール】。二人が向かった先は、巨大な要塞が聳え立つ街【ローグヒル】。化け物が住み着き、今なお戦争が終わらない街。そこで待っていたのは【ハンク】をサポートする軍人【ライザ】。彼女の話によると要塞を作ったのは【擬神兵】ミノタウロスであるという。
 【ハンク】は自身が立てた誓いを胸に要塞へと向かう。歪な形に肥大した”完璧”な要塞を前に、彼は呟く「あいつを獣にしたのは俺なんだ」と。

 見るからに不可思議な組み合わせの旅となったハンクとシャール。体格の差もあることから、シャールには長旅は辛そうだ。あんな大きな銃を持って歩く旅がつらくないわけがない。

 雨も降ってさらに大変になった道中、馬車で移動中の人が見かねて乗せてくれることになった。行先を告げるとハンクが目指していた街は、戦争が終わったのに未だ戦争に囚われた街だという。その原因は擬神兵の生き残りと。

 毎回、擬神兵の生き残りの末路を見せられるのだが、どれも重たい。必死で戦争のために自身の体を犠牲にして擬神兵になったのに、戦争が終わると自我をどんどん保てなくなり、街の人たちからも畏怖の目で見られる存在へと変わっていく。その隊長だったハンクは一体どんな思いで各地を回り、弾を込めるのだろうか。

 擬神兵だった父を持つシャールは、父を殺したハンクの意図を理解するためについてきた。今回の、ローグヒルの擬神兵の生き残りであるセオを倒しに向かったハンクの行動を見届けようとするも、戦いの被害に遭わないようにと戦闘の場から遠ざけられてしまう。しかし、この街で合流したハンクのサポートをする軍人・ライザのサポートを得て、セオにとどめを刺すシーンに立ち会うことができた。

 シャールは絶対にハンクを止めようと思っていたが、セオが擬神兵として生き続けることから解放され、心底ほっとした表情を浮かべたのを見ると、ハンクが引き金を引くことを止めることができなかった。自分の父は、ハンクに銃口を突きつけられたときに何を感じたのだろう。恨み言だったのだろうか、命乞いだったのだろうか、それとも感謝の言葉だったのだろうか……。

 ハンクは家族からしたら、大切な人を奪った凶悪な人物かもしれない。しかし、今回のローグヒルの住人からしたら街の困難を取り除いてくれた英雄だ。この矛盾と、ハンクの心の葛藤を思うと、観ているこちらも辛くなる。

 そして、ハンクとは別に公式の擬神兵討伐部隊が結成されているようだ。彼らはハンクのように彼らの過去を知るわけではなく、獣として討伐するのだろう。それならば元々の仲間であり、互いが獣になったときは仲間の手で消されるという誓いのもと、討伐されてほしいと願ってしまう。

 この討伐部隊とハンクは邂逅することはあるのだろうか。今回、ハンクを裏切ったかつての仲間のケインの姿が見られた。彼がハンクの動向を探っている意図は一体なんなのだろうか。今後の展開に期待したい。
(文=三澤凛)

『かつて神だった獣たちへ』殺人者か英雄か?矛盾と葛藤が入り混じる討伐を目の前にしたとき……第3話のページです。おたぽるは、漫画アニメ作品レビューマンガ&ラノベの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!