女優の“のん”が8日、都内で行われた映画『この世界の片隅に』初日舞台あいさつに、本作のメガホンをとった片渕須直監督、音楽・主題歌を担当したコトリンゴと出席した。のんは主演声優初挑戦で挑んだ本作の初日に万感の表情を見せ、最後のあいさつでは言葉につまり、思わず目に涙を浮かべる一幕もあった。
昭和19~20年の戦時下の広島市と呉市を舞台にした本作で、ヒロイン・すずの声を担当しているのん。登壇し、お気に入りのシーンを問われると、「やっぱりすずが料理をしているシーンや生活をしている場面が好き」とコメント。「すずさんが楽しんでいる姿がすごく印象的で、節約するために着物をリサイクルしていたり、(戦時下でも)楽しんで暮らしているところが素敵だなって」と感慨深げ。
そもそも自分自身が規則正しい普通の暮らしをするのが苦手な性分だといい、「毎日三食食べるとかお洗濯するとか苦手なんです。才能がない」と苦笑い。「でも、すずさんの姿を通じてご飯を食べたりお洗濯をする楽しさが分かって、わたしも生活するのが楽しくなりました」と笑顔を見せた。
のんいわく、「監督も(普通に暮らす)才能がない」といい、「お仕事に集中し過ぎてご飯を食べないって言ったり、大丈夫かなって」と焼きそばパンを差し入れたエピソードも披露。自身は「ポテトチップスとチョコレートを食べている時」が至福の時間だといい、「それを食べている時が一番幸せ。でも、今は制限していて、仕事がない時に食べたりしています」と話すと、片渕監督が「チョコレートは制限していたけどキャラメルはいっぱい食べていた」と、これにちくり。のんが「キャラメルはまだ制限していないんです」と返して会場の笑いを誘っていた。
片渕監督はこの日、改めて本作でののんの声優ぶりを絶賛。「録音したのを聞いて、スタッフが自分たちの想像力の中の声がなんで今、ここに入っているんだろうって驚いていました。(のんの)声が入った時にこんな恵まれた声の入り方はないなって。本当にすずさんがいるみたいでよかった」としみじみ。コトリンゴも「人生の中でも一生の宝物になりそうな、本当に素晴らしい作品。音楽を担当できてよかった」と本作に関われたことを心から喜んでいた。
(取材・文=名鹿祥史)
■『この世界の片隅に』公式サイト
http://konosekai.jp/
テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開中
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