モノブライト出口博之の特撮自由帳(3)

モノブライト出口博之の特撮自由帳(3)祝・ライダー45周年! 記念イヤーに熱く展開した『仮面ライダーアマゾンズ』が描いた“正義対正義”とは!?

1607_deguchi05.jpg『仮面ライダーアマゾンズ』公式サイトより。

・生きるために、食うか、食われるか

 生きることをテーマにおいた場合、必然的に「死」を描かなければなりません。原典仮面ライダーアマゾンでは、モグラ獣人の死、という形で「生と死」を描いています。仮面ライダーアマゾンズでは、生きることと生と死を人間の最も根源的な「食」という部分に凝縮させています。

 野座間製薬会社が研究していたアマゾン細胞と呼ばれる微小サイズの人口生命体。その生態は人肉を欲する本能がありこの細胞を人間サイズに大きさに培養したものがアマゾンと呼ばれる実験体。この実験体が事故により街に4000匹潜伏する自体に陥ります。アマゾンたちは人間態に姿を変え生活していますが、食人は行っており腕にはめた薬剤が切れると怪人化として覚醒し、理性を失い手当たり次第人間を補食し始めます。アマゾンの中には無害なものも含まれますが、いつ何時覚醒してしまうか個人差があるため、人間とは相成れない存在なのです。

 仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁(たかやまじん)の「殺したもん食って何が悪い」という象徴的な台詞が物語るように(鷹山仁は卵や肉などを摂取しているので食人は一切していませんが)ただ単に正義と悪の戦いではなく、自然の摂理に反したいびつな食物連鎖ができつつある中で、食べる、食べない問題が直接的に自分と相手の生死に関わっています。そして、今作の人間にとっての脅威は、食料にされることであり、食物連鎖の最下層に位置づけられている、ということなのです。

『アマゾンズ』の主要登場人物をまとめると「人間」と、「アマゾン細胞を培養育成された実験体アマゾン」「人間にアマゾン細胞を投与した仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁」、そして「アマゾン細胞に人間の遺伝子を移植した第三のアマゾン・仮面ライダーアマゾンオメガ/水澤悠(みずさわはるか)」。

 人間はアマゾンの捕食対象でありながら駆除班と呼ばれるアマゾンを狩るチームや、アマゾンを殲滅する特殊な薬剤を散布するドローンなど、対アマゾンの戦力を有しています。
駆除班ノザマペントサービスのメンバーはアマゾンを狩った報酬で生活しているので、彼らも「食うか、食われるか」の輪に組み込まれています。
 

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