【特撮・特撮&ロック】

モノブライト出口博之の特撮自由帳(2)“家族”がいるからこそ描かれるヒーローの素顔とは!?『仮面ライダー響鬼』が見せた父性に注目してみました!!

1605_degutimain.jpgモノブライトのベース・出口博之

 暦の上でも特撮関連でも特に大きな動きが少ない6月。来月7月17日はウルトラマン第一話のから放送50周年、29日にはゴジラ最新作『シン・ゴジラ』公開と怒涛の展開を控え、今月は「嵐の前の静けさ」のような時期です。来月の大きなトピックスに向けて、今は過去の作品を見返す期間にしようと思い、相次いで過去作品を一気に視聴しているところなのですが、その中で気になる点がいくつかありました。視聴しながら書き留めているメモの中から、今回はヒーローの家族とヒーローが持つ父性について、自由に考察してみたいと思います。

・ヒーローの家族について
 ヒーローの家族構成が明かされている作品は、部分的なものも含めるとかなり多くあります。特撮に兄弟、家族の構図を持ち込み、後の礎となった作品はウルトラシリーズ(実際は概念であり全員に血縁関係はない)です。ウルトラ兄弟が画期的だった点は、「後の作品に違和感なく客演できる」ことと、「ヒーローの孤独感の解消」という点。

1606_deguchi01.jpg『帰ってきたウルトラマン』Blu-rayBOXジャケット

『帰ってきたウルトラマン』(1971年)では、ウルトラマンジャック(新マン)を助けるために、M78星雲からウルトラマン(66年)とウルトラセブン(67年)が助力のために駆けつけます。ご都合主義ともとれますが、「兄弟」という関係性があるからこそこの二人の登場には説得力が加わりますし、変身前は自分がウルトラマンジャックであることを秘匿し、ヒーローとしての孤独感がありましたが(坂田兄弟やMATの面々など、人間としての理解者は存在しますが)、同じ立場、肉体を持った同胞の存在は孤独に戦う悲壮感を払拭しています。この構図が画期的だったからこそ、ヒーローのもう一つの側面である「人知れず孤独とともに戦うヒーローの悲劇性」にフォーカスをあてる作品も登場し、今日に至るヒーロー像の多様化の原点になっているのです。

 ここでは家族の中でも「兄弟」であることが重点的に描かれています。
 わかりやすい作品ではタイトルやネーミングにそのまま使われている『宇宙鉄人キョーダイン』(76年)、弟のバイクが主砲になり兄がバイクを担ぐ『「兄弟拳バイクロッサー」(85年)」、他にもさまざまな作品で兄弟ヒーローが登場します。スーパー戦隊シリーズでは初期メンバーが兄弟にあたるのは、『地球戦隊ファイブマン』、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』、『魔法戦隊マジレンジャー』、『天装戦隊ゴセイジャー』、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』。追加メンバーも含めると、作品はもっと多くなります。

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