『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』発売記念 打越鋼太郎『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』×林直孝『STEINS;GATE』 極限対談「アドベンチャーゲーム」編

打越 僕の場合は……、ここは何かカッコイイこと言いたいですよね(笑)。あ、じゃあ夢を与えることにしましょうか。ゲームなんて特になくても死んだりしないもので、何のためにあるかと考えると、やっぱり楽しむためだと思うんです。だから、ゲームを遊んでくれた人が何らかの形で楽しんだり、夢を感じてもらえればそれで幸せです。

■影響を受けた作品とは……?

──おふたりが影響を受けたADVやヴィジュアルノベルはありますか?

 僕はやっぱりゼロ年代辺りのPC美少女ゲームですね。TYPE-MOON作品だったりage作品だったり。もちろんKID作品もそこに含まれます。あの作品群があるからこそ、今の自分がいると思います。ただ、Key作品はプレイしていないんですよ。

打越 そうなんですか? 意外。

 いつかプレイしようと思っているうちにアニメが始まって、そちらを見て満足しちゃいまして(笑)。

打越 僕はいっぱいあって言い切れませんね。この質問はよく聞かれるんですけど、クリエーターって絶対いろんな作品に影響を受けて、今の自分があるわけじゃないですか。それも1本や2本じゃないはずなので、選ぶのは難しいですね。ただ、誰も見ていないだろう、というようなマイナーな作品までチェックするのはやっぱりSFかもしれません。

1605_ze04.jpg脱出ものの醍醐味が詰まった『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』プレイ画面

──脱出のドラマや極限状態における人間の心理描写などは、映画や小説でもよく見られる演出ですが、それをゲームでやってみたい、みたいな思いはあるんでしょうか?

打越 「なんで脱出ものをやるんですか」というのもよく聞かれますが、一つは単純に予算的な問題なんですよ。場所が限られていると背景グラフィックの枚数も限定されますし、登場人物も少なくて済む。モブもいらないので、企画の初期段階でたとえば「キャラクターは9人だからコストがこれくらい」という見積もりがしやすい。夢を壊すようなことを言ってますけど(笑)、基本的には会社員なので、この範囲内でやりますというのをまずプレゼンしないといけない。そこから閉鎖環境的なものへいつも落ち着いていくという事情があります。『パンチライン』もなんだかんだいって一つの建物の中のお話しですし、『かまいたちの夜』(94/チュンソフト)もペンション、『ダンガンロンパ』(10/スパイク・チュンソフト)も校舎の中。予算的な問題というのは、大きいんじゃないかな。

 でも、そういうところから生まれる名作というのもありますよね。

打越 その点で『STEINS;GATE』が本当にすごいと思ったのは、秋葉原の街を丸々舞台にしちゃったことなんです。普通は予算がかかりすぎるとか思っちゃって、そんなことは考えないですよ。だから、街を一つ使ってもADVってできるんだっていうことを教えられた気がします。

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