『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』発売記念 打越鋼太郎『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』×林直孝『STEINS;GATE』 極限対談「アドベンチャーゲーム」編

打越 僕は『ブレードランナー』(82/映画)より『プラメモ』の方が、アンドロイドの悲しみをちゃんと描いていると思います。こんなことを言うと『ブレードランナー』ファンから怒られるんですけどね(笑)。

 『プラメモ』はラブコメ版『ブレードランナー』と思って、書いていたところもあるんですよ。僕は打越さんの作品の魅力は、パズルのように複雑に入り組んでいる要素を解いていくというギミックの面白さで。いわば「アハ体験」だと思うんです。あとは、キャラクターや小物のネーミングセンスというか、小学生レベルのくだらない言葉遊びも、僕は大好きです。そういえば、『Memories Off』や『Ever17』の頃、打越さんのシナリオは電波系って言われてたんですよ。真面目な世界観なのに、急に「コメッチョ」みたいな謎の単語が出てきたりする。そういう電波なセンスが好きでした。

打越 それは珍しい(笑)。ちなみに「コメッチョ」は、アメリカンジョークから転じて米ジョーク、コメジョーク、コメッチョ、という造語です。ところで林さんはキャラクターの名前をどういうふうに考えてます?

 昔は、漢字の内包する意味をキャラの性格と似たものにしたりと、結構ひねって考えてました。でも『CHAOS;HEAD』(08/ニトロプラス)の時に、志倉から「そんな深く考えても誰もわからないから」って言われて、その時は志倉が女性の名刺30枚くらいをばーっと広げて、そこから名前と苗字を組み合わせて作りました(笑)。それ以来、そこまで凝った名前にはせず、響きを重視して名づけるようになりましたね。ただ名前にギミックがあるときは、そちらを優先します。例えば『STEINS;GATE』では、橋田至は、「ダル」という愛称やジョン・タイターとの絡みでバレル・タイターというコードネームを使いたかったので、物語ありきのネーミングになりました。

打越 僕も『Memories Off 2nd』(01/KID)の時は、風水とかにまでこだわって全員の名前を考えてたんですけど、それだけで1カ月くらいかかってるんですよ。全然費用対効果に合わないなって思いました(笑)。最近は誕生日も全然考えてなくて、『パンチライン』のときは、台初明香だったらダイハツの創業日がいつだからこの日、みたいな感じで別のスタッフに考えてもらいました。名前に関しても、物語先行で決めていますね。

──ゲーム制作上で大切にしていることや気を付けていることはありますか?

 僕はプレイヤーの知識欲を刺激してあげたいと思っています。新しいガジェットを使うこともはもちろん、ちょっとした雑学なんかもゲームをプレイしていただくことで知ってもらって、そこから自分で調べて、知識を広げてもらって、他の人に言いたくなる。そんな要素を入れています。例えばこれは『CHAOS;CHILD』に入れた話なんですが、耳鳴りってどこから鳴ってるか知ってます?

打越 どこで鳴ってるんですか?

 不明なんですよ。解明されてないんです。

打越 へえ~!

 この雑学って言いたくなるじゃないですか。こういうのを物語に入れたりしています。

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