「みなさんには僕が作る物語と同時に、僕自身の物語も楽しんで頂けたらと思っています!」 『CAT SHIT ONE』『風雲維新ダイショーグン』の笹原和也、20年の遍歴

1603_sasabara5.jpg『風雲維新ダイショーグン』(2014年)公式サイトより。

笹原「08年に山下しゅんやさんと知り合ったんですよ。当時、山下さんと吉田光正さんが組んでオリジナルフィギュアを出してたんですね。それにストーリーをつけさせてもらう仕事をすれば、2人と絡めると思ったんで打診しました。それが『ダイショーグン』の始まりです。

『艶華王道ダイショーグン』はフィギュアとWEB小説を発表しましたが、あまり話題になりませんでしたので、ILCAへの移籍に伴い、一旦閉じました。

 そして、ILCAに移ってしばらく経ってから本制作が始まったのですが、原作を作る時点で予想外に時間とお金がかかりました。そもそも僕自身が絵をかけないし、シナリオも書けないことが理由の1つですね。オリジナル作品はプリプロ(デザインやシナリオなどの事前準備)期間とプロダクション(実際に大量生産する作業)期間がカブってしまうことが多くて、プリプロが終わらない中でプロダクション作業が始まってしまうことが多いんですよ。そうすると、どうしても作業に無駄が出来てしまいます。もちろん、計画的にプリプロを終わらせるのが一番良いんですけど、どうしても遅れてしまう……。それを考えると、スタート時点でデザインや物語が揃っている原作モノは、作業のムダが発生しづらい、大きな利点がありますね。

『ダイショーグン』を僕が映像化するのであれば、『ファイナルファンタジー』のようなリアル系のCGがいい、『ファイナルファンタジー』のようなルックでコメディをやれば、世界に通用するものができる! という確信はありますが、リアル系CGはお金がかかりますからね。お金をかければ良い物が出来て当然じゃん、というジレンマはあります。

1603_sasabara6.jpgKickstarterの『風雲維新ダイショーグン』プロジェクトページより

『ダイショーグン』のテレビアニメ化、パチンコ化を経験してみて、『ダイショーグン』のような作品を大好きな人は確実に存在するが、その人数が圧倒的に少ないことも理解しました。それは商業作家としては大きな問題です。採算がとれないと同時に『ダイショーグン』が3DCGの映像化を目指した企画であり、テレビアニメ化とパチンコ化だけではその真価を発揮していないという怨念にも近い思いが僕の中にあり、このままでは『死んでも死にきれない』状態で14年の後半から15年まで、ずっと悶々としておりました。

 そんな時にキックスターターの存在を知り、『この仕組みならば、「ダイショーグン」のことを世間に問える! 世界を相手に勝負できる! 「ダイショーグン」を好きになる割合がたとえ1000人に1人でも、全世界の75億人全員に観てもらえれば、750万人になる!』と思ったのです。とても困難な道だけども、世界一に到達できる道筋が出来たと震えました。実際は多くの人に観てもらうことがとても難しいんですけどね!

 キックスターター用のPV映像を作るにあたって、当初のアイデアでは、他のプロジェクトと同じように僕がオフィスの中で概要を説明するものを考えておりましたが、五十嵐孝司さん(註:『悪魔城ドラキュラ』シリーズのプロデューサー)の『Bloodstained:Ritual of the Night』の大成功を見て、映像自体にも演出が必要だと気づいたんです。そこで『和風』と『修行』をテーマにした『体を張った』映像を作ることにしました。そうすることで、視聴者の心に訴える映像を狙いました。

 僕、笹原和也が頭で瓦を割ったり、冷たい滝に打たれたりしています(笑)。よかったら、観てみてください」

Cat Shit One VOL.1 (Web comics)

Cat Shit One VOL.1 (Web comics)

原作コミックの作者は小林源文閣下

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