CGWORLD2014 クリエイティブカンファレンス・レポート

「CG業界が下請けから脱却してきた」各CG会社の代表が語った未来の展望

1412_cg_presi1.jpg「数年後も生き残るのは誰だ!? CG社長会」の様子。

 11月23日、文京学院大学本郷キャンパスにて「CGWORLD2014 クリエイティブカンファレンス」が開催された。

 トークイベント「数年後も生き残るのは誰だ!? CG社長会」には、雑誌「CGWORLD」(ワークスコーポレーション)編集長の沼倉有人さんをはじめ、wise代表取締役の尾小山良哉さん、サンジゲン代表取締役の松浦裕暁さん、ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役の塩田周三さん、アニマ代表取締役の笹原晋也さん、神風動画代表取締役の水崎淳平さんが登壇した(今回Vol.2となっているのは、5月に阿佐ヶ谷ロフトAで行われた「CGスタジオ代表たちの定例食事会:公開版」をVol.1として位置づけているため)。

「CGWORLD」編集長の沼倉さんが10年前に編集部に入ったこともあり、まず「10年前に業界の今をどう予想していたか?」について「こんな場でさも業界を知ってるように社長さんと話ができるとは思ってなかった」と沼倉さん。10年前というと、90年代後半のCGブームの余韻が落ち着いた時期でもあった。

wise・尾小山「10年前にはディスバウンドディメンション【註:かつて尾小山さんが設立したCGプロダクション。2008年には別にドロイズも設立した】を立ち上げたが、10年経って(会社を)フルで入れ替えたという感じなので、(今の状況は)まったく予想してなかった」

サンジゲン・松浦「10年前というと、(アニメーションスタジオの)ゴンゾをやめたくらい。その時にはサンジゲンを作ろうと思ってたが、(2011年設立の)ウルトラスーパーピクチャーズ【註:アニメスタジオ「サンジゲン」「トリガー」「オース」「ライデンフィルム」からなる株式会社】含めて大きくなるとは思ってなかった。というか、どうやろうかって思ってたくらい」

ポリゴン・ピクチュアズ(以下、PPI)・塩田「10年前というと2004年だけど、社長になったのが2003年。拠点は大久保にあってまだまだ儲からなくて、どうやってそこから抜けだそうかと日々考えてた。海外の『くまのプーさん』の案件【註:3DCGテレビアニメ『プーさんといっしょ』】が取れるかどうかでハラハラしてた」

アニマ・笹原「10年前というか、12年前に(商号が)前身の笹原組からアニマに変わった時に代表になって、なりたてで何をやっていいのかわからないくらい無我夢中だった。今振り返ると10年はあっという間なので、もうちょっと前からやっとけばよかった」

神風動画・水崎「10年前は『ナンバーファイブ吾』【註:マンガ誌「月刊IKKI」創刊時の特典DVD収録のPV】で松本大洋風のCGをやってみようとか、法人化した時期だった。CGのアプローチでアニメ業界に入り込めたらいいなと考えてたので、自分自身の状況というか世間の状況がここまで進歩してるとか思わなかった。(アニメ業界でのCGについては)僕らが独占してるはずだったのに、いち早く大手にガガガッといかれて……(笑)。(その一方で)仲間がこんなに増えるとは思わなかった。同じアプローチで世界と戦おうという人たちが増えてきて頼もしい」

 各々の回答でもこの10年にそれなりの転機があったことが伺えたが、沼倉さんはCG雑誌の状況について今でもよく聞かれるという。「1998年から2000年くらいに10誌以上あったのに、ウチだけ何故か残ってて……」と語るように、「CGWORLD」は現在、3DCGやVFX技術の動向を伝える唯一の貴重な雑誌となっている。

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