「みなさんには僕が作る物語と同時に、僕自身の物語も楽しんで頂けたらと思っています!」 『CAT SHIT ONE』『風雲維新ダイショーグン』の笹原和也、20年の遍歴

 3月23日に米国最大手のクラウドファンディングサイト・キックスターターにて『Dai-Shogun – The Great VR Animation Revolution』ページがオープンした。2014年のテレビシリーズ『風雲維新ダイショーグン』を企画した笹原和也が監督、フルCGアニメとしてRebootするべく賛同者を募っている。

 その笹原監督は現在、株式会社イルカにてアニメーション監督として活躍している。かつて「design plex」にて連載していた3DCGソフト・LightWaveのハウツーを語った「BORN TO BE WAVY」ならびに書籍化された『LightWave3Dでいこう!』シリーズの著者でもあり、90年代後半より第一線で活躍するクリエイターの中には、当時お世話になった者も多い。

 「LightWaveをいじりはじめたのは94年くらいですが、『design plex』の連載をなぜ始めることになったのか、覚えてないです」と笹原監督。LightWaveのユーザーを対象として作品を募集中のコンテスト「WAVY AWARDS 2015-2016」で、当時を知るクリエイターとともに最終審査員を務める笹原監督に、改めて自身のこれまでを振り返ってもらった。

■東映アニメーション研究所にも出入りしていた学生時代 笹原組の誕生

1603_sasahara1.jpgILCAのエントランスにて笹原監督

 笹原監督のCGとの出会い。それは日本のCGの歴史に欠かせない人物・金子満の授業が大きく作用した。

笹原「CGを作る仕事に就くことになったのは、武蔵野美術大学の映像学科に入ったからです。武蔵美に行こうと思った理由は、普通大学の受験に全部失敗して『うわ!もう働かなくちゃならないんだ!』と思ったら、それがとにかく嫌で、かといってもう1年受験勉強するかと思ったら、それも耐えられなくて、しかし、それでも『働きたくない』と思った時に、絵を描く勉強なら楽しいだろうなんて甘い考えで、美大を目指すことにしたっていう。そんなに甘いモノではなかったんですけどね。

 それまでマンガを描いてたりはしてましたが、完成したことはなくて、そんなレベルでした。受験浪人として美大受験の予備校に行きましたが、そんな調子ですからちゃんと勉強できてなくて2浪しました。武蔵美のほかは、多摩美術大学と東京造形大学を受けましたね。

 大学に入って1年生の時に金子満先生の授業で一生懸命に作品を作っていたら、金子先生が『ウチの会社に遊びに来ないか?』と声をかけてくださって、それでCGにより深く触れるようになりました。その当時は日本語マニュアルもなく、ソフトもハードも高く、CGを始めるにはまだまだ敷居が高かった時代ですが、1年次の後半に金子先生がAnimation Masterを持ってきてくださって、ものすごく感動したのを憶えています。「これならオレは世界を獲れる!」と思いました。英語のマニュアル本を見て使ってましたが、レンダリングはレイトレースしかなかったので、とても重かったです。先生のところの仕事では、93年にサンリオさんから出た教育ビデオのオープニング映像をCGで作りました」

Cat Shit One VOL.1 (Web comics)

Cat Shit One VOL.1 (Web comics)

原作コミックの作者は小林源文閣下

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