──先ほどの話に戻りますが、当方で入手している8月の実行委員会名簿には確かに江口氏の名前がありますが。
若林 実行委員会の委員ではないですよ。
──どの段階から?
若林 どの段階でも。フェスティバルディレクターは実行委員会のメンバーではありません。フェスティバルディレクターとして参加しているということです。
──そもそも10月の時点で、中心メンバーが解任というのはおかしいことだと思うのですが、日本動画協会からの聞き取り以外に調査をしようと思わなかったのですか?
若林 私どもとしては、あくまでも開催を運営していくことを日本動画協会へ働きかけていくという立場ですので。
──先日、産業労働局長は都議会の一般質問で「今後ともアニメ産業振興を行っていく」旨を話していた。しかし、今年の現状を見ると海外からの協賛もなく、単なるアニメ上映になっている。これは、去年よりもイベントの内容が後退しているように見えるのですけど、どうお考えですか?
若林 私どもとしては、イベントの内容が後退しているとは認識しておりません。
──あくまで、去年と同等レベル?
若林 そうですね。
──去年に比べると海外の協賛なども公開されていませんが?
若林 今日、発表しているのですが、上映の部分は……。
──大使館など海外の諸官庁の協賛は?
若林 まあ、そこの部分はない、今年はないですね……。
──その部分は後退ではないのですか?
若林 後退ではないですね。
──どう認識していらっしゃるのですか?
若林 共催という部分についても含めて、まあ、あの共催がないから後退しているとは認識していない。
──去年と比較して、どうお考えですか? 後退でないとすると、どうなっているとお考えですか?
若林 上映作品にしても、特別上映にしてもコンペディションにしても、去年レベルの内容で公開されると思っているのですけど。
──そうすると、もし今後、問題が発生したらどなたが責任をとるのですか?
若林 仮定の場合の質問には、お答えできません。
──システムとして、責任者がいらっしゃるでしょう。5,000万円は誰の責任で出しているのですか?
若林 舛添都知事です。
──1カ月前になりますが、取材班の電話取材に「すぐに折り返しします」といったのに、1カ月経ちましたよね。
若林 それはですね……まあ、どうして話していいか私自身整理がつかなかったので、もし、お待ちいただいたとしたら大変申し訳ない。
──嘘つきとしか思えないですよね?
若林 嘘つき?
──一晩中、電話を待っていたのですけどね。
若林 ちょっと、さすがに夜遅くなってしまった部分もあって。まあ、その後も、そういう意味でお待ちいただいたとしたら大変申し訳ない。
──覚えていたんですか、忘れていたんですか?
若林 もちろん、忘れていたわけではないですけど。
──いつ頃電話しようと思っていた?
若林 う~、夜遅く……。
──いやいや、翌日も翌々日も明日電話しようと思っていた?
若林 そういう意味では、そうですね。どう話したらいいか整理がつかない状況でした。
──ずっと、1カ月間?
若林 そうですね、はい。
最後には、ダイナミックな言い訳までしてきた若林課長。この問題は、東京都の信用問題どころか日本のコンテンツ産業政策そのものが、諸外国から不信を抱かれるものである。しかしながら、東京都にはそうした意識はまったくないようだ。
都合の悪い部分はひた隠しにする日本動画協会の主張を一方的に信じて、知らぬ顔をする東京都。もはや「TAAF2016」は開催そのものの意義を失ったといえるだろう。国際アニメーション映画祭のはずが、単なるアニメ上映会になっている現実。これを、イベントの破綻といわずしてなんというのか?
(取材・文=特別取材班)
【TAAF2016】日本動画協会の主張を鵜呑みにする東京都!「東京アニメアワードフェスティバル2016」の破綻は待ったなし?のページです。おたぽるは、アニメ、話題・騒動、東京アニメアワードフェスティバル、日本動画協会、TAAF、東京都の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
人気記事ランキング
人気連載