『駄能力JK成毛川さん』(菅森コウ)　物語のテーマは陰毛？　

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『駄能力JK成毛川さん』（菅森コウ／小学館）

　謎のマンガ家・菅森コウ。Twitterに「菅森先生の宣伝代行マン」と名乗るアカウントがあるので、そこにあったクリックしてみたら、よ～く似た絵柄のエロマンガが登場したのですが……なんなんでしょうね（笑）。

　そんな菅森コウが話題を呼んでいる理由は、先頃単行本第1巻が発売になった『駄能力JK成毛川さん』（小学館）の衝撃です。この作品、「やわらかスピリッツ」での連載開始以来、衝撃を呼びまくっています。

　ヒロイン・成毛川さんはクラスの委員長で書道部に所属する才媛。おっぱいも大きな彼女は、むしゃぶりつきたくなるようなJKでもあります。クラスメイトの里中くんと一緒にテスト前の勉強をしている、いい雰囲気から始まる第1話ですが、ページをめくると成毛川さんの正体が「妖怪ちんげちらし」であることが提示されます。

　この、いきなりの読者を置いてけぼりにする感覚がたまりません。エロい身体のJKにしか見えないのですが、成毛川さんは妖怪なのです。そもそも、なんで妖怪がJKをしているのかも謎ですが、ちんげちらしという妖怪も謎過ぎます。ちんげちらしは、抜けた陰毛を当人の目に付くところに再配置するという妖怪。なるほど、本の間とか意図しないところで陰毛が発見するのは、この妖怪の仕業のようです。

　そんな妖怪である成毛川さんが、今、もっとも欲しい物は里中くんの陰毛です。里中くんが大好きな成毛川さんは、早く里中くんの陰毛を集めて、囲まれたいという妄想で発情しまくっているんです。

　完全なる変態！　変態なのに巨乳で可愛いから、もう妖怪でもいいかと読者はエロい興奮を覚えるに違いありません。だって、最近はモンスター娘との恋愛も当たり前ですからね！

　でも、陰毛を手に入れることは用意ではありません。なんとか手に入れようと頑張るほどに、なぜか里中くんにパンツを見せたり、オッパイを揺らしたりと妙な挑発が発生してしまうのです。

　そんな2人の恋愛を描くのか……？　と思ったら、違います。実は、2人の通う学園は妖怪の巣窟です。金髪JKの川島さんは「リモコン隠し」という、これまた、リアルに存在していそうな妖怪。クールキャラの雨宮さんは「雨おんな」なのです。

　そんな妖怪たちが、全員可愛いJKなんだから、それだけで読者は満足。しかも、何をやっても微エロ展開になっていくというサービス満点な展開に、興奮が休まりません。だって、ギャグマンガテイストだというのに、スケブラに太もも、水着まですべてがエロ～く描かれているんですから。

　衝撃のキャラを次々と登場させる本作品。このままのテンションで、どこまで持続することができるのか。成毛川さんの求める陰毛の行方と共に気になります。
（文＝大居候）