【独占】「本物を見ることができる衝撃は大きい」庵野秀明が筆者の取材に語ったMANGAナショナル・センター構想の希望と「物置化」を防ぐ解決すべき問題点

■施設はPFI方式 明治大学との「連携」にも言及

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 決議文を読んでみると、どういう施設が誕生し、どのように運営されるのかが、うっすらと浮かび上がってくる。

(前略)
京都国際マンガミュージアムなど、関連施設でマンガ関連資料の蒐集や研究が進められてはいるものの、アニメやゲームについては明治大学の東京国際マンガミュージアム計画が予定年度を過ぎても未だ実現しないなど、未だマンガの段階にも至っていない。マンガについても中心的な拠点を欠くこと等もあって、関連施設はいずれも継続性に懸念を抱いており、既に収蔵余力も限界を迎えつつある。
(中略)
知的財産推進計画2015でも我が国アーカイブの要と位置づけられた国立国会図書館を軸(ハブ)として国立新美術館や京都精華大学及び明治大学等の大学や関連施設等とも連携、MANGAを我が国の文化資源として蓄積し、人財育成や産業振興の基盤機能を果たし、更に国内外の関連施設の連携拠点として国際的な情報発信を通じた我が国文化外交の進展、訪日観光客誘致にも資することを企図した意欲的な計画であり、2020を控えた我が国にとって、文化的にも経済的にも時宜を得たものである。
(後略)

 引用部分について読み解いてみると、民間を主体としたアーカイブの継続性と収蔵機能に懸念が示されていることがわかる。一つの事象として、京都国際マンガミュージアムは2006年に開館し継続している一方で、明治大学は2009年に図書館及び、同人誌即売会も開催できる東京国際マンガ図書館(仮称)を2014年度目標で東京都千代田区猿楽町の旧付属中高の土地に設立することを発表しているが、完成の目処は立っていない(サイトの更新も2010年で停止)。

 こうした状況を受けて、継続性のある国立の施設を求める声が強まったようだ。配付資料ではさらに具体的に施設の計画を述べている。一部を引用してみよう。

中核施設の実施方法
PFIによる国立国会図書館のMANGA関係資料を扱う支部図書館として設置し、必要に応じて国立国会図書館法等を改正、運営は外部委託とする。設置・運営は国立新美術館及び大学その他の関係機関等とも連携を行う。

中核施設A 東京都心における国際的情報発信拠点
立地 都心部。MANGA集積地たる秋葉原周辺が望ましい。
※御茶ノ水に明大が計画中の関連施設と連携の可能性
(以下略)

中核施設B 原資料のアーカイブや教育研究の拠点
立地 資料収蔵を主とすることから、地価の高い都市部であることを要しない。既存建物の改修による用途変更も想定。
(以下略)

 アーカイブが国立国会図書館の支部となることは、いくつかのメディアが報じているが、さらに「中核施設A」の部分を見るとPFI方式で明治大学が、東京国際マンガ図書館(仮称)の計画を、そのまま国立国会図書館支部に移行させるようにも読み取れる。つまり、外側は国立国会図書館支部で、中身は明治大学が運営する施設……というものが想像できる。国立国会図書館法の改定なども含めて、今後どのような協議がもたれていくかも興味深い。

日本の最も美しい図書館

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MANGAナショナル・センター、ぜひ実現してほしい。

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