歌舞伎ファン、原作ファンの毀誉褒貶が渦巻き……ぶっちゃけどうなのよ歌舞伎『ONE PIECE』!?

1510_onepikabuki.jpg「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」特設サイトより。

 今月7日より新橋演舞場で始まった「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」。『ONE PIECE』(集英社)の作者・尾田栄一郎氏は、同劇に「この人(市川猿之助)に任せておけば安心だと思わせてくれる人物でした。『ONE PIECE』の歌舞伎に、超ご期待ください!!」と絶大な自信を窺わせていたが、正直どう展開するのかまるで予想がつかない。しかし、観劇した人の評価は良く、つられて足を運ぶ人も増えそうな予感が漂っている。

 三代目市川猿之助(現猿翁)により創造された、かつてないスケール感と重厚な物語性を併せ持ったスーパー歌舞伎。演劇界に新しいジャンルを拓いたスーパー歌舞伎を、四代目市川猿之助が自らの手で創造したのが、スーパー歌舞伎II(セカンド)となる。

 2014年に俳優・佐々木蔵之介を迎え上演された、古典と現代演劇の融合作品『空ヲ刻ム者』。同劇に続く、第2弾に選ばれたのが言わずもがなの『ONE PIECE』だ。ルフィ・ハンコック・シャンクスの3役を演じる市川猿之助を中心に、白ひげ役の市川右近、ナミ・サンダーソニアの2役を演じる市川春猿など、役者陣には歌舞伎界の名門・市川の名がずらりと並ぶ同劇は、『ONE PIECE』の“頂上戦争編”(シャボンディ諸島~マリンフォード頂上決戦)が描かれる。

 ファンに衝撃を与えた“エースの処刑”が行われる“頂上戦争編”。観劇した歌舞伎ファンは「原作読んでいませんが、普通に楽しめました」「色んな意味で新猿にしかできないスーパー歌舞伎という感じでいいと思う。ご年配は泣いてたよ」「内容はよくわからなかったけど、子供が喜びそう。舞台装置も凄い」「福士(エース役:福士誠治)はよく通るいい声だったよ」など、楽しめたようだ。中には「ハンコックは原作でも本当に美人なの?」と、興味を持った声も上がっている。

 では、『ONE PIECE』のみのファンはどうだろうか。「観てきた。ダメだこりゃ。脚本家、ほんとにワンピ読んでんのか?」「微妙な出来でしたわ。エース演じた人に魅力がない」「原作に思い入れある人はやめたほうがいい」「物語はスッカスカで、盛り上げるために行ったり戻ったりしてゴチャついてる」「カオスが生まれるほど濃くないし、詰め込んでもいない」など、指摘するところはさまざまだが、あまり満足できなかったようだ。

 ただ、どちらもよく知る人からは「客層がいつもの歌舞伎と違ったけど、客席すごく盛り上がってた。(中村)隼人くんの立ち回りも迫力あった。個人的には(市川)男女蔵のマゼランが、うれしそーにボン(クレー)ちゃんをいたぶるのがツボ。猿之助らしい、歌舞伎を知らない客ですら、とことんまで楽しませてしまう演出がすごかった」「個人的にすごく楽しめた。ちょこちょこ原作と違うところも許容範囲」「本当に面白かった!仕掛けがてんこ盛り。火だけじゃなく、舞台一面ザバザバと滝のような中での立ち回りにびびった」など、概ね好評。「おじいちゃんが小学生くらいの孫と2人で来てて、孫が一生懸命おじいちゃんに解説してた」という微笑ましい声も見られた。

 また、これから観劇予定の人からも「『少年ジャンプ』なんて歌舞伎にもってこいの題材ばかりで、今までやらなかったのは怠慢としか思えん。劇場行くのがこんなに楽しみなのは久しぶりだ」「原作コミック読んでみた。どう脚本をまとめたのか気になる」「歌舞伎は敷居が高かったけど、これは何が何でも観たい」など、期待を寄せる声が多数上がっている。

 原作ファンから否定的な声が上がってしまうのは多少なりとも仕方がないとして、それを差し引いても楽しめそうな「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」。開催期間は来月25日までで、1番安い席は3,000円から用意されている。これはもう行くしかないのか!?

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