新興ブランドながら、エロゲーマーの心をがっちりつかみ、『恋式マニュアル』や『お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!』など王道とロリを巧み織り交ぜて良作をリリースし、縮小気味と言われる美少女ゲーム業界で躍進を続けるブランドGLacé/Galetteから10月30日に新作がリリースされる。『天ノ空レトロスペクト』(※GLacéよりリリース)だ。
プロモーション画像やサイトを見ると、良くも悪くも王道中の王道美少女ゲームに思えるが、アミューズメント系ジュブナイル青春ADVと付けられたこのゲームは、GLacéがこれまで最も力を入れている作品だという情報が流れてきた。
以前、衝撃かつ笑撃のタイトルを付してヒットを飛ばした『お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!』でインタビューを敢行した同社に、『天ノ空レトロスペクト』が何がどう力を入れた作品なのか再び訪れ、今作のディレクターである若津一海氏に話をうかがってきた。
――『お兄ちゃん、右手の使用を禁止します!』は完全にロリに振り切った作品でGaletteよりリリースされていますが、今回の『天ノ空レトロスペクト』はGLacéよりリリースということで全てがザ・王道という雰囲気を感じますが、どうでしょうか。
若津(以下、若):その通り王道中の王道を目指しました。限りなく鬱要素は排除し、ハッピーになれるようシナリオライターと綿密に打ちあわしてストーリーを作りましたね。
――今作はこれまで最も力を入れた作品だとうかがったのですが、どの辺に力を入れられたのですか。
若:シナリオです。『天ノ空レトロスペクト』はシナリオ重視の作品になります。
――それは美少女ゲームでよくある泣きゲーとか鬱ゲーという意味でのシナリオ重視でしょうか。
若:そうではありません。制作の意図としては誰もがハッピーになれる物語を目指しています。もちろんシリアスなシーンが全くないなんてことはありませんが、エンターテイメントとして最高に楽しめるシナリオ作りをしました。
――美少女ゲームの王道となると、ある程度舞台や設定がテンプレ化してしまう気がするのですが。
若:もちろん舞台が学園という意味ではテンプレは踏襲していますが、『天ノ空レトロスペクト』はちょっとひねっていて、市町村合併が物語の根底にあります。
――市町村合併がテーマなんて美少女ゲームっぽくないですね。その着想はどこから得たのでしょうか。
若:日本には土地の守り神として、産土神(うぶすながみ)とか土地ごとにいるじゃないですか。そういった神様って市町村合併したらどうなるのかな……ふとそんな疑問が湧いたところからですね。
『天ノ空レトロスペクト』にはアマホシというキャラが登場しますが、彼女はまさに産土神です。舞台となる町は天ノ空市。天星町と空見町が合併してできた町なのですが、合併後も彼女の名前はアマホシのままです。それはなぜか? そういったところが物語の伏線だったりします。
――天ノ空市のモデルとなったよう町はあるのですか?
若:埼玉県の上福岡市とか、千葉県の野田市とか、東京都でいうと東村山市とかですね。天ノ空市は東京郊外の人口6万人程度の町という設定です。
――神様が出てくるということは、ファンタジー要素が強かったりもするのですか。
若:それは薄いですね。もちろんアマホシが神様である以上、神通力なんかは多少ありますが、物語のトリガーになるほど魔法は出てきません。あくまでも王道学園ものです。
――町をテーマに設定すると、『CLANNAD』とかを想起させて、少しノスタルジックになりますね。
若:もともとタイトルにもなっている「レトロスペクト」(※retrospect)は追憶とか回顧という意味です。今作のヒロインは4人ですが、彼女たちそれぞれに町に対する思い出があり、記憶があります。もちろんそれはゲームの世界だけでなく、現実でも誰しもが持っているじゃないですか。
その記憶は青春であり、町の息吹でもあると思うんですよ。『天ノ空レトロスペクト』では4人の少女たちの町の記憶を主人公と共に追うことを楽しんでもらいたいんです。
――ヒロインは4人ということですが、キャラクターデザインも王道な感じですね。
若:ヒロインたちの性格や好みはバラバラで、みんなとても魅力的なキャラクターなんですよ。
――シナリオ重視作品ということですが、その影響でエッチシーンが少ないなんてことは……?
若:それはありません!(即答) シナリオ重視はあくまでもディレクターのぼくの意向であって、それとエッチシーンは全く別の話です。ヒロインごとに3~4回とたっぷり……まぁそれはゲームをプレイしてのお楽しみにしてください。
――エッチシーンについては何かテーマを設けたりはしたのですか。
若:甘えですね。ヒロインが甘えてくるのではなく、ヒロインが甘やかしてくれるんです。これがたまらないんですよ。みんながみんな甘やかしてくれちゃうんで。
これはソフマップさんのショップ特典になってしまうのですが、アマホシのドラマCDがあるんです。主人公が赤ん坊になってロリ顔幼女体型のアマホシに甘えまくるという内容です。これがもう……(満面の笑み)。
――ひどい内容ですね(苦笑)
若:お褒めの言葉ありがとうございます。
力を入れている点といえば、『天ノ空レトロスペクト』はエッチな特典が盛りだくさんなんですよ。初回予約で3つ、さらに通常予約で4つの計7つが付き、さらにショップ特典が店舗ごとに付くので。
――主題歌やサウンドトラックなんかも付くんですね。
若:カサンドラさんに歌ってもらいました。歌詞の内容はヒロインの石生楽深澄(いそらみすみ)についてです。彼女は出自が謎で、それが物語の大きな伏線にもなっています。
今回音楽もすごく良いんですよ。サウンドトラックは普通に音楽CDとして楽しめる一品です。
――美少女ゲーム業界が縮小されているとささやかれる中、ずいぶんと豪華な特典ですよね。制作費がかさむでしょうし、大丈夫なんですか。
若:業界が縮小しているのは事実だと思います。だけど、ユーザーに誠意があるブランドは生き残っていますし、成長もしています。だからそこは妥協しては絶対にダメなんです。
――『天ノ空レトロスペクト』はどんなユーザーにピッタリなゲームと言えますか。
若:ユーザー全員をとにかく甘やかしてくれるから、人生に疲れた方、瞳のハイライトが消えてしまった方とかには特におすすめしたいですね。もちろんそれだけじゃなく、ラノベやヤンジャンとかヤンマガとか青年コミックが好きな方も絶対に楽しんでもらえます。とにかく、ヒロイン全員、甘やかし方はかなりレベルが高いですよ!
(構成/文=Leoneko)
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