【ICAF2015】誕生したアニメーション学科の成果は? 久保亜美香と石田祐康が振り返る大学時代

『rain town』(2011 年)

石田「2回生の時に卒業制作で『rain town』を作りたいと思ってて、2年くらいかけて作ろうと。3回生の時はそれに時間を使いたかったんですけど、(『フミコの告白』を)友達の誘いでやらなきゃならなくなりました。企画は2回生の時で作ったのは3回生ですが、これはこれでやり始めたら面白くなって。『rain town』とは全然正反対のことでしたが、その場に身を任せて『そうなっちゃったからには仕方がない』と、ぶっつけ本番で作りました。とりあえずいろいろやってみて、もがいて技術を身につけようと。

 後々の卒業制作(『rain town』)のこともあったし、そんなに悠長に作ってられないから、キャラクター、背景、CGの使える人を素直に探しました。上手いかどうかもありますけど、純粋に興味があるかで話をしてみました。特に1年生は入りたてですが、任せてみたら上手かったとか。CGのセットに手描きの絵を貼り付けるカメラマップをやらせたら案の定ハマって、(卒業後に監督した)『陽なたのアオシグレ』でもスタッフをやってくれました」

■プロデューサー、監督として……今後を展望するそれぞれの未来

『陽なたのアオシグレ(予告編)』( 2013年公開)

 現在、久保は自身が立ち上げた「スーパーミルクカウ」の代表を務め、石田は「スタジオコロリド」に所属している。

久保「『おはなしの花』でいろんな賞を頂いて、覚悟ができないままフリーランスになってしまったので、一度1人でアニメーションを向き合う時間を作って、覚悟を決めるために09年からフランス、アメリカと行って、日本に帰ってきてCALF STUDIOに入ってプロデューサーをやりました。そうやっていくうちに自分がディレクターをやってた時に分からなかったプロデューサーの大変さとか制作進行のありがたさとかが全て分かって反省したところとか、こうすればうまくいくってのがわかったので、自分の会社を立ち上げるというのにつながりました。

 私は割と手描きから3DCG、VFXを1人でやるので、仕事の内容は多岐に渡り、困った時に時間がないからと頼まれることが多いんですけど、プロジェクトによって違って長くても1カ月とか、チームで作る時もあります。自分が今メインで扱いたいと思ってるのが、短編.jpという短編アニメーションの情報サイトで、それを自分の立ち上げた会社とシステム担当の会社とで共同運営してます。あと大河原亮監督の短編(『ディス イズ マイ ハウス』)を映画祭に出す目的で作ったりですね」

『ディス イズ マイ ハウス(予告編)』(15年完成)

石田「久保さんはプロデューサーもできててスゴいなと。僕はどっちもというかすり合わせていくのがどうにも苦手で、プロデューサーがいないと暴走するだろうなぁ」

久保「私自身がアーティスト気質ではないというか、石田監督のように自分の表現を人に見せるところまでモチベーションを保って完成させられる人を尊敬します。ただ彼らがうまくやっていける体制ができていないというのが、こんなにみんなスゴいのに勿体無いというのが最初にあって、そういう人たちをサポートするシステムを作った方がいいなという活動です。日本のアニメーションのアーティストって現代アートの人たちと仲良くしてもいいと思うんですよ。束芋さんのようにギャラリーで展開してる人もいるじゃないですか。そういう活動をしていきたいですね」

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