【ICAF2014】プロの声優も起用! 東京藝術大学の“シンカイマコティック”な上映作品に注目

 9月25日から28日まで国立新美術館にて開催されたインター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)2014では、参加していた各大学や専門学校の推薦作品を見ることができた。

 その様子については先の記事(参照)で述べた通りだが、本稿では東京藝術大学の推薦作品として上映された中から、佐々木崇人さんの『19の不完全性定理』がシンカイマコティックだったので取り上げておきたい(シンカイマコティックとは“新海誠的”という意味の造語で、頻度はごく限られるもののファンの間では10年前から見られる)。

『19の不完全性定理』の登場キャラクターは、高校生の綾田哲雄と青島沙綾。ところどころ『化物語』などで知られる制作スタジオ・シャフト的な演出も感じさせるが、全体的には新海誠監督のようなテイストになっていた。

 しかもCVは綾田哲雄役が赤羽根健治さん、青島沙綾役が神田朱未さんと、プロの声優を起用している。赤羽根さんは『THE IDOLM@STER』のプロデューサー役など、神田さんは『魔法先生ネギま!』の神楽坂明日菜役などで活躍しているので、アニメファンにはお馴染みだろう。

 今後、ICAFは地方会場として11月3日に北海道(新千歳空港国内線ターミナルビル)、同8日から14日までが石川県(金沢シネモンド)、同28日から30日までが京都府(立誠シネマプロジェクト)、12月6日に愛知県(愛知芸術文化センター)と巡るが、北海道と愛知県の日程は1日のみなので、本作が上映されるかどうかは不明だ。

1410_icaf3_2.jpgICAFカタログバックナンバー。中央右は『フミコの告白』などの石田祐康監督が描いている。このビジュアルが後に『陽なたのアオシグレ』につながった。

 学生作品や自主制作作品はなんでもネットで見られるようになっていると思うだろうが、依然として卒業制作展でのみ公開され、眠りにつく作品が少なからず存在することは、意外と知られていない(参照)。もっとも、作品を上映することの意義とも関わってくるので、安易に是非を問うわけにもいかないのだが……。なお『19の不完全性定理』は先に9月7日から9日まで開催の学園祭「藝祭2014」でも上映されている。この先ネットで公開されることもあるかもしれないが、できることなら会場に足を運んで確かめておきたい。

 ちなみに、『19の不完全性定理』の作者・佐々木さんは東京藝術大学美術学部デザイン科で、本作は同科の卒業制作になる。東京藝術大学は、9月17日から21日までカナダで開催されたオタワ国際アニメーションフェスティバル(以下、オタワ)で特別賞を受賞。学校部門での受賞になるが、その中でも上映された小野ハナさんの『澱みの騒ぎ』が学生部門で特別賞となっていた(オタワの学校部門で上映された作品は、いずれも同大学院映像研究科アニメーション専攻の修了制作である)。

 ICAF2014での上映作品に『澱みの騒ぎ』はなかったことから、壇上でこの快挙についての言及はなかったことも記しておく。
(取材・文/真狩祐志)

■インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル
http://www.icaf.info/

【ICAF2014】プロの声優も起用! 東京藝術大学の“シンカイマコティック”な上映作品に注目のページです。おたぽるは、イベント情報・レポアニメの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!