姫乃たまの耳の痛い話 第12回

「破れたパンスト3万円」……整形手術のために衣装を売り続けるアイドルの懺悔

 子どもの頃からアイドル好きだった彼女は、念願のアイドル活動を始めて1年ほど、全くファンがつきませんでした。幼い頃にみたアイドルと自分のギャップに焦り、原因は自分の顔にあると思い込むようになったそうです。

 アイドルとして売れるため、特にコンプレックスだった目を整形しました。手術費はOL時代の地道な貯金で払いました。一重を二重に、目頭を切開して、涙袋にヒアルロン酸をいれると、途端にファンが増えたそうです。「今思えば顔じゃなくて、自分に自信がついて明るい性格になったせいだと思う」と、当時のことを振り返ります。

 それから少しして、派手な目が他の顔のパーツと釣り合いがとれていないように感じ始めました。しかし、アイドル活動を始めてから、会社をやめてアルバイトで生活しているため、整形にかけられるお金はありません。

 ファンから衣装を売ってくれないかと持ちかけられたのは、ちょうどそんな時でした。一度ライブで着て見せれば、いい値段で買い取ってくれるので、今度は自分から他のファンに衣装を買わないかと誘ってみたのです。

 そのうち感覚が麻痺してきて、フリーマケットで私服を定価以上の値段で出品するようになりました。SNSに「今日はフリマに出店してる」などと書き込むと、ファンが足を運んでくるそうです。

「あくまで、来てねっていう雰囲気は出さないで書き込むのが大事。周りは普通に子どもの古着を数百円で売ったりしてたから、私のブースだけ異様だった」

 服を売ったお金は全て、豊胸などの整形手術に使いました。今は維持費のために、どうしてもお金が必要だと言います。

 アイドルとして売れるための整形が、整形をするためのアイドル活動に変わりました。「もう周りの人にはバレてるし、イメージも何もないよ。気づいてなかったの、たまちゃんだけじゃない?」と笑われてしまいました。

「でも誰も触れてくれない話だったから、聞いてくれてありがとね」と、最後に彼女は言いました。電話の最中、これから彼女はどうするのか、現状から抜け出すにはどうすればいいのか、何ひとつでてきませんでした。

 しかし、現実ってそんなにうまくいかないものなんだよなあ……と思うのです。

●姫乃たま
1993年2月12日、下北沢生まれ。日本の地下アイドル。2009年より都内でライブをする傍ら、ライターとしても活動を開始。イベントの主催や、司会、モデルとしも活躍している。全曲ボーカルをつとめたFriendlySpoon「フレスプのファーストアルバム」絶賛発売中。
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