改めて逮捕の不当性を表明  「ろくでなし子さん 勾留からの釈放に関する記者会見」詳報

――警察は、どういう経緯で3Dデータを入手したのか。

山口「捜査段階では弁護団に証拠は開示されないので、推測にしかならない。なんらかの方法、経緯で特定したかはわからない」

――実名報道されていましたが、名前は報道の時も出さないほうがいいですか? (ラブピースクラブ代表の)北原みのりさんが報道で年齢を出したことも怒ってましたよね。

「(ろくでなし子さんには)わからないと思うけど、みのりさんが逮捕された直後に(ろくでなし子さんの)本名と年齢と『自称芸術家』という言い方を流布したことを怒っていたんですよ。だから、それにあわせて聞かれている」

ろくでなし子「あ、なるほど」

「すごくナーバスにやっているわけではないんですよね」

ろくでなし子「聞かれなかったから、言わなかっただけ。本名とか年齢とかは」

――そもそも、この事件は被害者は誰?

山口「刑法175条は被害者を想定していない犯罪です。そういう解釈が妥当かどうかは別として、裁判例や実務はそうなっている」

――今年は3Dプリンタで銃を製造した人物が逮捕される事件もあったが、これとの関連性は?

山口「3Dプリンタに警察が興味を持っているとこは推測できます。将来的に規制なりなんなりの立法事実を作りたいのだということも考えられますが、あくまで推測です」

――今回、ろくでなし子さんの釈放を求める署名活動が行われておりましたが、これは釈放に対して効果を発揮したのか?

「署名のことについては、私が預かったので説明します。本来であれば、このまま起訴されて、公訴提起されて保釈を勝ち取るときとかに活用すべきものでありました。ですので、今回の準抗告においては署名を裁判所に見せるとかはできていません。ただ、署名に併せてたくさんのメッセージが寄せられたことと、あと署名の数がとても多かったこと。(署名の数が)1万何千になっていますが、このことは本人さんに伝わっていますので、非常に励みになっています。改め署名をなさってくれた皆さんに感謝します」

山口「裁判所の判断に影響したかどうかは、ぼくらは(署名を)添付資料として提出したわけではないんですよね。ただ、世間をこれだけ騒がしている事件だということは、裁判所も慎重な判断をしなくてはいけないという意味で影響はあったとは思いますよ。もちろん、(この署名が裁判所の)決定の理由中に書けるようなものではないですけども」

<了>
(取材・文/昼間 たかし)

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