痛烈な風刺…なのか? 『ウルトラマン』的展開も期待される『サムライフラメンコ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『サムライフラメンコ』
第17話「最強総理」

1402_samurai17.jpg『サムライフラメンコ』公式HPより。

【今週の極私的見どころ!】
 後藤さん(CV:杉田智和)の「サムライポリスマン」!! 爆笑しました。そして、待ってましたサムライフラメンコ!! 視聴者はみんな、フラメンジャーではなく、キミを待っていましたよ! 相変わらず、強いんだか弱いんだかわからない、ヘタレっぷりがナイスです。

【今週のオススメ度】
★★★☆☆
(前回のあらすじはこちら

 ボロボロになって助けを求めてきた羽佐間正義(CV:増田俊樹)に、後藤が手渡したのはなぜかガスマスク!? 後藤は、物知り顔で着々と何かの準備を始めました!

 完全武装した国家権力に踏み込まれた瞬間、後藤が手にしたのは消化器型のロケットランチャー(のようなもの)と、大きな黒板消し2つ。黒板消しを叩くと白い粉――もといガスが周囲に蔓延し、ガスマスクを着けていない追っ手は足止めをくらったようです。

 脱出した2人は、フラメンコ武器開発担当・原塚淳(CV:大川透)の車に拾われ、辿りついた空きビルでネットニュースプロデューサーの今野明(CV:三上哲)と再会します。そこで、羽佐間は奥崎総理大臣(CV:石井康嗣)が「非認可正義行動規制法」というヒーロー活動を規制する法案を、早急に可決させようとしていることを知らされます。「特定秘密保護法のメタファーかな?」と言った視聴者が多数いましたが、筆者も同じことを思いました。うーん……これで総理の支持率が上がる理由がわかりませんね。

 捕まった仲間たちを助けるためにも、絶対に可決は阻止しなければならない。そう決心した羽佐間の元に現れたのは、アメコミヒーローことミスター・ジャスティス(CV:安元洋貴)。彼の手助けがあれば百人力だと闘志を燃やす羽佐間は、再び「サムライフラメンコ」のスーツを身にまとい、国会議事堂へと急ぎます!

 理不尽な法案可決もあわやというその時。国会の扉を開け放ち、羽佐間は宣言します!!

羽佐間「真実なき正義は悪より悪! たとえ国が相手でも、サムライフラメンコ!!」

後藤「そして! サムライポリスマン!!」

 ……って、えええええええええええええええ!? 後藤の「俺も腹をくくった」のセリフは、公務員だけど国と戦うことにした、って意味ではなくて、正義の味方になるって意味だったんですか!? ネットでは「wwwwwwww」の文字が、画面上を埋め尽くしました。

 フラメンコガールズの助けもあり、国会議員とマスコミをすべて外に出し、サムライフラメンコと対峙した総理は、「コードF」と名付けられた国防作戦を発動します!

 直後、現れた虫型の黄金オブジェのようなものが、バラバラに分かれて総理の体を覆っていきます。そして総理は、この黄金のアーマーこそ日本国防衛の切り札・イザナギという名の最強兵器だと告げるのです。アーマーの様相に、「何座の聖衣(クロス:『聖闘士星矢』で聖闘士たちが纏うアーマーの名前)だよw」「『ワンピース』のエネルにしか見えない」とネットは大盛り上がり。総理が「私の本名は、奥崎・F(エフ=フラメンコ)・真太郎 」と名乗ったシーンでは、「(『ワンピース』の)ルフィかよ」「『ワンピース』のD一族もとい、Fの意志を継ぐ者」と他マンガとの類似点が指摘されました。

 国民の支持率が強さに繋がるというイザナギ。支持率95%を超えた強さはハンパない!!

 と思ったのも束の間。羽佐間の放った一撃が、イザナギの装甲にヒビを入れました。みるみるうちに下降する支持率ゲージのせいで、防御力がダウン! どうやら現場に潜り込んだ今野によって、一部始終の動画が全国に流されたようですね。総理は、後藤と羽佐間によるダブルキックで撃沈しました。

 しかし、総理は力を振り絞って叫びます。

「日本はもうおしまいだ!!」

 性懲りもないと誰もが思ったその時、颯爽と現れたのはミスター・ジャスティス。味方の登場にほっとしたのも束の間、ジャスティスの正体はフラメンコ星人という宇宙人でした。ネットでは、「やっぱり宇宙人キターーーー!!」「やっぱり最後は『ウルトラマン』展開か……」と、期待とも感嘆とも取れるコメントが浮上。

 ともあれ、世界の首相はすでにフラメンコ星人に取って代わられ、人類の最後の希望が日本のイザナギだったのだとか……。「それならそうと、初めから国とヒーローが協力すればよかったのでは?」という視聴者の疑問をスルーして、東京の上空には巨大な光る円盤が出現!! ハリウッド映画『インディペンデンス・デイ』にしか見えませんけど、とにかくこれから宇宙戦争が勃発するわけですね、監督?



 第17話では、今の政界を皮肉っているのかとたびたび突っ込まれました。ネットで「総理、支持率の上げ方間違いすぎだろ」と非難の声が上がっているのは、現実の政界事情にもつながりますね。

 前回の第16話が好感度高かったためか、第17話では「どこに向かう気だ。このアニメは」「前回の感動を返せ」とシビアな意見が飛び交いました。しかし、意外にも「一番好きだった頃の『サムライフラメンコ』が戻ってきた!」「超面白い!!」と好意見が多く、批判的な意見に勝っている印象。また、「いやぁ、今回もひどかった(褒め言葉)」「超展開に慣れちゃって、むしろ快感」と相変わらず妙な賞賛を浴びていました。

 次回、ハリウッド並みの宇宙戦争に発展してたら、それはそれで面白い……かも?
(文/牧野絵美)

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