長崎県佐世保市のハウステンボスにて、1月11日に新劇場「MUSE HALL」がオープンした。この「MUSE HALL」のこけら落としとして、主に元・宝塚や元・OSK日本歌劇団出身のメンバーからなるハウステンボス歌劇団が公演を行っている。この歌劇団自体は昨年7月に誕生したものであるが、さらに今年は5月に養成校の位置づけとして歌劇学院が設立されることも発表されている。
ハウステンボスは1992年に開業。前身の長崎オランダ村を発展させたものとして地域経済の観点からも期待されていたものの、バブル経済の崩壊後であったことも相まって来客数は低迷、03年に会社更生法の適用を申請した。
それ以降も回復の見込みはなさそうに思われたが、10年度のH.I.S.傘下編入後は開園以来初の黒字化を達成、12年度の経常利益は34億円となっている。なお13年度の中間決算ではすでに31億円となっており、通年で12年度を突破することが確実になっている。
会社更生法の申請以降も『名探偵コナン』とのコラボなどのイベントも行われていたが、H.I.S.が経営再建に乗り出してからは改めて見ても目覚ましいものがある。『ワンピース』とのコラボは定番化しているので知っている人も多いだろう。昨年はゲーム会社のレベルファイブやカプコン、メディアファクトリーの女性向けブランド「オトメイト」とのコラボも実施された。これらを含めた「脱オランダ」の精力的な多角化が、年を追うごとに見事に数字に反映されている。
以前、世界のテーマパーク年間入場者数ランキングで、三重県桑名市のナガシマスパーランドがトップ20にランクインしていたことで驚かれたが、国内においては基本的に同じくランクインしていた東京ディズニーリゾートとUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が双璧を成しているのは周知の通りである。
USJは、新たに今年『ハリー・ポッター』(ワーナー・ブラザース)のアトラクションが誕生することでも注目を集めている。しかし01年のオープンから3年後に自前以外のコンテンツを取り入れる方向へ舵を切って久しいことから、西の雄も安泰ではなかった。テーマパーク経営の難しさは、単に立地の問題だけに留まらないのが窺える。
USJにおける日本のコンテンツでは、これまで『ハローキティ』『ワンピース』『ナルト』『鋼の錬金術師』『モンスターハンター』などが楽しまれてきた。11年にはアニメ『けいおん!』ともコラボして話題を呼んだことも記憶に鮮明だ。
そしてUSJは開業初年度に達成して以来となる、年間の来場者数1000万人突破が見えている。こうしたアニメ・ゲーム関連のコンテンツ誘致も集客の一翼を担っていると思うと感慨深い。
(文/真狩祐志)
■ハウステンボス
http://www.huistenbosch.co.jp/
テーマパークの復調に『ワンピース』やオトメイトが貢献!?ハウステンボスとUSJが記録更新の兆しのページです。おたぽるは、その他、演劇、USJ、ハウステンボス、ONE PIECEの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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