アニメ『プランダラ』離人が撃墜王計画の参加を決意した第15話

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 最近は主人公が眼鏡の人になってきている疑惑のあるプランダラ。この作品は「この展開にしたい!」という流れに強引に持っていくから違和感がずっとあると思い知らされた。

 地下から戻るところをアラン大尉に見つかり、絶体絶命に陥ったジェイルは自分がアルシア王立軍の軍人であることを白状する。アルシアはこの過去の時点ではまだ存在しない国。ジェイルが口走った言葉に虚を突かれた隙を使って銃をかわすことに成功したが、相手は大尉。やはり一筋縄ではいかない。

 アランの攻撃の仕方、さらには発する言葉から、彼が血のつながりはなくとも自分を育ててくれた父親アレクサンドロフ=グリゴローヴィッチ上級大将と似てたものを感じとる。彼は300年後の世界とどのような関係があるというのか。

 アレクはジェイルの物言いから、ナナが未来からこの時代に彼らを送ったことを理解した。だが早すぎる。尺の為なのだろうか。ジェイル以外にも未来から来たメンバーを集め、翌日彼らを市街地へと連れ出すことに。

 市街地は荒れ果て、軍人を見かけた市民たちが武器を片手に食料を求めて群がってきた。かなり治安が悪い。そういった状況をまるで理解していない未来人メンバーは、子供にお菓子を与えようとするなどまるで危機感がない。子供に皆の前で食料を与えれば、その子供がひとりになったときに襲われることは必至。しかもそんな行動をとったのがリィンなのだから、お前は軍人としてマジで何やってたんだといいたくなる。

 さらにここまで食料に瀕している状態があるのに、学校での生活は潤いまくっているようにも見えた。取って付けたような緊迫感のように感じてしまう。

 この現状はもう既に取返しがつかないらしく、とにかくアランは現状を未来からきた面々に見せたかったようだ。陽菜はこの離人の過去を知った上過去を自分たちの手で変えようと決意する。だがペレやジェイルは過去で離人にしてやれることはない、と断言する。

 それというのも、アルシアは戦争に勝って作られた国。離人はその戦争で英雄となった男だ。英雄なしでアルシアは戦争に勝てたのか? さらには戦争で勝たなければ、彼らが生まれる未来はやってこないのかもしれないからだ。つまり歴史が変わり、自分たちが生まれない未来を自ら作ってしまうことになりかねないというのだ。過去で彼らにできることはあるのか。陽菜とジェイルで意見が別れる。

 過去は過去で時間は流れる。軍学校という特性として授業は訓練である。男女ともにチャラついた制服で過酷な訓練をおくる面々。離人たちの所属するA組は風呂覗きの連帯責任で他のクラスよりも負荷を重く設定されて訓練にあたっていた。

 さらに、シュメルマン元帥はA組生徒を殺さない軍隊に育て上げようとそれぞれのキャラクターにあうように武器を与える。手持ちのナイフやレイピアなどの武器ばかりで、銃などはない。それは戦争が長く続けば白兵戦が主になってきてその際に生き残れるのは繰り返し使える武器になるからだ、という理屈だがどこまで本気なのかはわからない。

 だが生徒たちはその理屈を信じ、この武器で殺さない軍隊になろうという意志がさらに高まる。ちょろすぎる生徒たちだ。

 さらには海辺での訓練の模様が描かれるが、市民たちが苦しんでいるときに露出度の高い水着で遊び惚ける生徒たち。さらに教官たちも少し羽を伸ばそうとビールを飲もうと(阻止されるが)するなど、本当にあの市街地はとってつけたようなものだったんだな、と思えてならない。一つ一つのシーンがバラバラな設定に感じられる描写ばかりだから説得力がないのはこういう部分だ。

 この海での訓練は、クラス対抗のゲーム大会。相手チームの旗を奪った方が勝ちという単純なもので、それぞれ墨の入った水鉄砲が与えられる。墨がついたら死亡扱いになるという。
 離人たちA組はここでこそ、殺さない軍隊を実践する場だ、と持前の体力を駆使して逃げ回ることで相手チームを翻弄し勝利を勝ち取ってきた。

 あの人間離れした道安が離人たちに勝負を挑む。墨入り水鉄砲ではなくなぜかこん棒を振り回すなど、協調性のかけらもない道安。軍学校なのだから、こういう生徒を野放しにしている学校側にもかなり問題がある。さらに彼はCクラスの旗を振り回しているが、キャラクター紹介にはしっかりBクラスと書いてある。設定くらいちゃんと守ってほしい。

 ストーリー的に山場を作るためだけに、キャラクターが無茶をするという流れで、ピンチを迎えながらも結果的には勝利を収める離人たちA組。離人がいたから勝てたんだ、となぜかかなり持ち上げクラスの隊長になるうすら寒い展開に。この全員ご都合主義で頭がお花畑なキャラクターで納得する人がいるのだろうか。

 生徒たちが知らない間に、教官陣にも動きが。彼らのメンバー一人であるダビという人物が殺されたという連絡がはいる。さらに彼の最後の通信には「騙されていた」という意味深な言葉が。この真意がわからないが、計画が外部二漏れていた可能性もあることからフィレンダは撃墜王計画を早々に進めることをシュメルマン元帥に申告する。この女、ずっと計画を進めたがっているな。だが、死ぬかもしれない計画に大事な子供たちを使いたくない、とシュメルマンは激怒。しかしこの計画を進めない限り物事は進まないために、DNA鑑定で成功率が高いと診断されたものを使うことになった。

 それが、離人。それで皆が助かるのならば、と撃墜王計画の参加を快諾する離人だったがその結果が殺さない軍隊とはかけ離れた結果になることは、未来から着た面々は知っている。果たしてその未来は変えられるのか?

(文=三澤凛)

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