“生涯ドルヲタ”ライターの「アイドル深夜徘徊」vol.43

スキャンダル、結婚、活動休止――アイドルのあり方が問われた、2019年アイドル界振り返り!

■今年相次いだ「解散」に近い状態

 今年も、アイドルグループの解散は相次いだ。3月に「つりビット」、5月には「ライムベリー」、12月には今年バラエティ番組を中心にブレイクを果たしたファーストサマーウイカが所属する「BILLIE IDLE」と、個性的な活動をしてきたグループが活動を終えた。

ただ、今年気になったのは、「解散」と明言しない形で、実質的な活動を終了したグループだ。4月6日のライブを持って「活動休止」としたのは、レプロのアイドルグループ「9nine」。翌5月には、活動休止中ながら、メンバー・吉井香奈恵の脱退&芸能界引退を発表した。

 北海道から東京に出て活動をしていた「WHY@DOLL」も、11月30日をもって「活動終了」した。あえて解散としなかったのは、メンバー2人の繋がりが消えることはないということを残したかったのかもしれない。

スキャンダル、結婚、活動休止――アイドルのあり方が問われた、2019年アイドル界振り返り!の画像3
「夢みるアドレセンス」公式サイトより

 そして、初期メンバーの卒業によって、実質的に新しいグループに生まれ変わるのが「夢みるアドレセンス」だ。12月20日をもって、初期メンバーでありリーダーの荻野可鈴、同じく初期メンバーの志田友美と小林れい、そして、2017年に加入した水無瀬ゆきが卒業。残った2名に、新メンバー2名を加えた4人で活動することとなった。同グループでは、長くプロデューサーを務めてきた人物も外れていることから、まったく新しいグループに生まれ変わると考えてもいいだろう。

 そして、昨年の12月23日に結成された、秋元康とワーナーミュージック・ジャパンによるガールズバンド「ザ・コインロッカーズ」も、今年12月23日のライブで、現メンバーでの活動は終了した。ビッグネームによるプロジェクトであり、彼女たちの動きを追ったレギュラー番組『ロッカーに何、入れる?』(TOKYO MX)も今年4月からスタートするなど注目されたが、うまく軌道には乗らなかったようだ。

 これらのように、明確に解散とせず、活動を終了する背景には、アイドルブームの波を見極めたいという意識があるように思う。いわゆる“アイドル文化”が根付いて、一定の市場はでき上がっているものの、その人気にはやはり上下がある。先に書いた、NGTの問題などもあって、今はアイドル市場がやや低迷していると見ているのだろう。そして、名前などを残しておいて、次にブームが盛り上がってきた時に、また再開できるようにしているのではないだろうか。もちろん、私も活動を休止したいくつかのグループは、また機会があれば復活してもらいたいと考えている。

■結局、今年ブレイクしたアイドルは誰?

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「BiSH」公式サイトより

 最後に、果たしてことしブレイクしたといえるアイドルは誰なのかということを考えてみたい。

 ライブアイドル系で言えば、今年10月に、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「BiSHドハマり芸人」と題され特集された「BiSH」が挙げられるだろう。もちろん、アイドルファンの間では、BiSHはもうずっと前から認知されているし、その人気は確かなものだった。しかし、「アメトーーク!」でこれまで取り上げられたのは、「Perfume」や、ハロプロ、AKB48(「アイドル大好き芸人」の中で)など国民的グループのみであった。そこにBiSHが食い込んだというのは、大きな出来事だと思う。BiSHをプロデュースするWACKでは、これまで、普通のアイドルがやらないような試みをして、話題を作ってきた。それがメジャーシーンに躍り出たことによって、今後どのような活動をしていくのかは注目される。

 続いて、ドラマなどの女優系アイドルを見ていこう。

 すでにネットでは、今年ブレイクした女優の名前などが取り沙汰されているが、1月から放送された『トクサツガガガ』(NHK総合)に主演した小芝風花、『ピュア! ~一日アイドル署長の事件簿~』(NHK総合)や、NTTドコモのCMが印象的だった浜辺美波、連続テレビ小説『なつぞら』(NHK総合)で、ヒロインの妹を演じた清原果耶などの名前が挙がっている。

 ただ、いずれもすでにドラマなどの出演経験は多く、あまり真新しさは感じなかったのが正直なところだ。個人的には、リメイクされたドラマ『ヤヌスの鏡』(フジテレビ系)で主演した桜井日奈子、映画『プリズン13』の主演をはじめ、7本の出演作が公開された堀田真由などを注目株として挙げておきたい。






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 以上、今年のアイドル界を振り返ってきたが、いい話題よりも悪い話題の方が多かったような気がする。令和という時代になって、人々の気持ちが一新される中、それに合わせて自分たちの形もうまく変えていくということが求められているのかもしれない。

 来年は、いよいよ東京オリンピックの年。それに乗っかってくるアイドルの出現や、会場の問題で活動が制限されるグループも出てくるだろう。ただ、いずれにせよ、アイドル界がいい方向に進み、ヲタクも演者も共にハッピーになれるような時代が来ることを、心から願っている。

(文=プレヤード)

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