宮崎駿監督の新作、全然進んでいなかった! NHKアニメ特集で明らかに……日本アニメ界の“やりがい搾取”にも切り込む

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NHK『東京ミラクル「第3集 最強商品 アニメ』より

 17日夜放送の『東京ミラクル「第3集 最強商品 アニメ』(NHK総合)に、俳優・佐藤健が出演。スタジオジブリの宮崎駿監督が久しぶりにメディアの取材に応じ、製作中の新作長編アニメの進捗が明らかとなった。

 この番組は、東京を訪れた外国人が驚くさまざまな“東京ミラクル現象”を取り上げ、ミラクルがなぜ生まれたのかその歴史とともに掘り起こしていくドキュメンタリー番組の第3弾。これまでに「食」と「鉄道」の現場を取材してきた佐藤は、今回、アニメ制作会社に足を運び、アニメ界の現状を探ること

 都内に500以上の会社が存在するというアニメ制作会社。最初に訪れた虫プロダクションでは、手塚治虫氏がいかにして少ないスタッフと制作期間で日本初の毎週30分の連続テレビアニメ『鉄腕アトム』を制作したか、また手塚治虫氏が後の日本アニメ界に与えた影響などを学んだ佐藤。

 次に訪れたのは、今年大ヒットを呼んだ新海誠監督の『天気の子』で美術監督を務めた滝口比呂志氏の仕事場。作品の魅力のひとつでもある美しい背景美術がいかにして作られるのか、実際に作画の様子をその目で見ながら体感した。滝口氏からは、『天気の子』には「全カットに描き手一人一人のアドリブが入っている」との裏話も飛び出した。

■宮崎駿監督の新作は、全然進んでいない!?

 そうして最後に訪れたのは、日本を代表するアニメスタジオのひとつである、スタジオジブリだ。1984年公開の『風の谷のナウシカ』から宮崎駿監督とタッグを組んできた鈴木敏夫プロデューサーは、ジブリの躍進の転機となったのは、興行収入193億円、観客動員数1420万人を記録し、当時の日本映画の歴代興行収入第1位となった1997年公開の『もののけ姫』だという。

 安い予算でと短い期間での制作が要求される中、『もののけ姫』では制作費を2倍にし、制作スピードは月産5分。120分のアニメを作るには2年がかかる計算だ。それ以前は月産7、8分だったそうだ。

 ジブリでは3年半ほど前から、宮崎駿監督が新作の長編アニメを制作中だが、完成を100とすると、進捗は完成を100とすると15ほど。今回は月産1分のペースだという。

 その後、佐藤は特別に監督の作業現場を見せてもらえることに。引退宣言撤回後、初めて取材を受けた宮崎監督は、引退を撤回した理由について、「理由なんかないですよ。またやりたくなっただけの話なんですけど」「本当に引退したくなるんですよ。ところが何年か経つとやってみたくなるんだよね(笑)。しょうがないよね。またですかって感じですけど」と笑顔を見せた。

 78歳の今もなお現場で活躍を続ける監督。「時間ができると、うろうろ歩き回って、だんだん体調が整ってくると『やってないことがある』『この領域に俺は全く手出してなかったな』と思っているうちに、できるかもしれないと思い始めたのが運の尽きなんですよね」「時代がすごく難しくなってきたから、時代に合わせて作っているんじゃなくて、時代の中にいる自分がそれによってかき立てられるものが出てきたということだと思いますね」とも語っていた。

 そのほか番組では、12月20日公開の劇場版最新作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』で原画を担当している木曽勇太氏や、2020年1月から同局で放送予定のアニメ『映像研には手を出すな!』で監督を務める湯浅政明監督と作者の大童澄瞳氏にも密着。また、アニメーターの低賃金問題や、中国企業による高待遇での人材引き抜きなどにも触れ、視聴者からは「1時間弱で多くのことを触れている内容で面白かった」といった声が上がっている。

 しかし、その一方で、「なぜ日本のアニメが最強なのか、その強さはクリエイターたちの情熱にほかならない」という番組の締め方には、「すごいオチだな」「結局、情熱オチか……やりがい搾取やむなし、みたいになってるじゃん」「最後のは皮肉だと思う」などと議論を呼んでいるようだ。

 いずれにせよ、この番組が問題提起のキッカケになればいいが……。

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