ドラマ『G線上のあなたと私』人生の岐路に立たされた3人が音楽と出会った第1話

火曜ドラマ『G線上のあなたと私』 TBSテレビ

 恋愛マンガの名手・いくえみ綾 原作。世代を超えた友情、そして恋愛を描く人気漫画『G線上のあなたと私』がドラマ化。第1話がオンエアされた。

「ごめん、今になって」「すきな子がいる」と、小暮也映子(波瑠)は寿退社間近に婚約者から婚約破棄を告げられる。放心状態でフラフラと立ち寄ったショッピングモールで「G線上のアリア」の生演奏を耳にしたのをきっかけに、大人のバイオリン教室に通い始める。
教室で同じクラスになったのはイマドキの大学生・加瀬理人(中川大志)と主婦の北河幸恵(松下由樹)。人間関係もバイオリンも一筋縄ではいかない3人を取り巻く人間模様と、それぞれの想いが交錯していく…。

 原作・いくえみ稜×主演・波瑠の組み合わせは同じ枠で放送された『あなたのことはそれほど』以来である。再度の起用となるのはそれだけ信頼が厚いということなのだろう。そしてそれを裏付けるかのように、1話目は上々のスタートだった。

 ショッピングモールでバイオリン教室の勧誘コンサートが行われていた。それに目を奪われた、年代も性別もバラバラな3人が、教室の門を叩いたところから物語が始まっていく。

 主人公の也映子は婚約者に「好きな人ができた」と言われ振られ、会社も辞めたタイミングで。

 主婦の幸恵は刺激のない退屈な主婦の息抜き……というのは建前で、浮気をした旦那を許す代わりに取り付けた自由時間に。

 大学生の理人は兄の元婚約者である久住への恋心を払拭するために。

 それぞれがそれぞれの人生の中でのターニングポイントになるだろうタイミングで、バイオリンの音色に誘われて教室に入った。しかしド素人3人。大人になってから始める音楽は、その後の人生を変えるものにはなり得ない、と全員が理解している。

 プロのヴァイオリニストになることを望む人間は誰もいない。だがそれぞれが人生の中でこれまで接点がなかったことに挑戦すれば、なにかがかわるのではないかと藁にもすがる思いを胸に秘めている中で、出会ったのがバイオリンだった。

 これまで構築してきた、自分の中の大切なものが音を立てて崩れた落ちた。そんなときに人は、それらを吹っ切るため、これまでとはまったく別の道に足を踏み出すことで、なにかを得ようとするのかもしれない。

 習い事をはじめ、ぎこちなくもコミュニケーションを取る中で、少しずつ相手が抱える事情が垣間見える。そして改めて距離感を考える。遠慮や思いやり、言葉にできない空気や配慮の諸々が感じられるストーリーだった。

 特に松下由樹の安定感はさすがの一言。彼女がいてくれることが作品としてもこの3人の関係にしてもとても助かっている感じがする。今後、幸恵に何かあった時はこのふたりが支えになってくれることだろう。

 それぞれの恋や愛と向き合いながら、この3人がどのような関係をはぐくんでいくのか。楽しみながら追っていきたい。
(文=三澤凛)

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