ドラマ『俺の話は長い』最後の最後に全くドラマと無関係のネタをぶっこむってどうなの?第1話

ドラマ『俺の話は長い』最後の最後に全くドラマと無関係のネタをぶっこむってどうなの?第1話の画像1『俺の話は長い』公式HPより

 主演・生田斗真、物語は脚本を手掛ける金子茂樹の完全オリジナルの『俺の話は長い』。失業してニートになった男性の現実逃避に惑わされながらも、家族がともに絆を深めていく姿を描いていく。1つの話が「30分2本立て」で放送される。 期待の第1話がオンエアされた。

其の一
すき焼きと自転車
 岸辺満(生田斗真)は、喫茶店を営む母、房枝(原田美枝子)に寄生しながら暮らすニート。ある晩、姉の秋葉綾子(小池栄子)が夫の光司(安田顕)とすき焼き用の牛肉を携えて岸辺家にやってくる。

 貯金箱から小銭をかき出している主人公・満の姿から始まった。確実に金のない人間がやる行為だ。

 ニートの主人公、満は喫茶店を営む母に寄生をして生活する30オーバーの男だ。母の経営する喫茶店の常連客からも満は大丈夫かと心配される始末。しかしニートといっても家の中に引きこもるタイプではなく、外出をしたり家族と話したりと活動する気はありそうに感じるタイプのニートのようだ。

 第1話の前半は、満の姉の綾子一家が家の建て替えの為に3か月間満の家に同居させてもらいたいと、食事を交えてお願いをしにやってくるストーリー。タイトルにもある通り「俺の話は長い」と豪語するほどに弁の立つ満と、その姉であるがゆえに負けず劣らず口が達者な綾による舌戦が見どころだ。

 綾子の娘、つまり満の姪っ子である晴海の好物ということでこの会食に選ばれたメニューはすき焼き。しかし満は昔からすき焼きが嫌いと公言していたのだった。家族なのに自分の嫌いなメニューにしたこと、なぜすき焼きがだめなのか、そしてお願いされる側の自分に対して失礼なのではないかということをクドクドと語り始めるのだった。

 しかし、不登校になってしまったという晴美が途中から現れたことで話の流れが急展開する。彼女を家に送っていく際にポロリとこぼしたのが、久ぶりにしゃぶしゃぶを食べたらあまりのおいしさに焼肉としゃぶしゃぶのランキングが大幅に変わり1位に躍り出たという話。

 長々とすき焼きのダメなところを並べ立てていたのは何だったのか。満のこの矛盾するゆるっとした雰囲気が、どこか身近にいそうなキャラクター像として憎めそうにない。

其の二
寿司とダンボール
 姉一家が越してくる日、満は手伝いを強要された中に捨てる古書があることを発見し自分のお小遣い稼ぎに古本屋に出かけていく。姉の旦那である義兄の光司と連れ立って古本屋に向かう。

 古本屋の店主は母の店の常連客で、どうやら母に恋心を抱いているようだ。満のことも気にかけているらしいが、ここまで家庭の事情を知っている人が近所にいるとニートもやりづらい。

 古本屋で小銭を稼いだら、そのまま行きつけのバーで酒を飲む。光司のことも引き止め、彼の過去の職業であるミュージシャンの話に花が咲く。

 メジャーデビューも果たしたものの結果が出ず、光司のバンドは早々に解散してしまった。現在では普通の職に就き、音楽とは縁を切った。しかし、もともとは綾子との結婚がそうさせたらしい。結婚前には30本ほど持っていたベースは、もう手元には一本も残っていないらしい。

 光司は、娘の晴美との接し方に悪戦苦闘をしていた。綾子にとっては再婚という形で一緒になった故、本当の父親ではない光司は、一度も「お父さん」と呼ばれたことがなかったのだ。酒を飲みながらそんな自分の思いを少しずつ吐露していく。

 帰宅すると、女性陣から文句を垂れられる。そんな中、綾子が入る予定の部屋に置かれていた満の段ボールを片付けてほしいと投げかけられる。その中身はかつて満が開いていたコーヒーショップに関わるものだった。

 9か月間だけオープンしていた、彼のこだわりが詰まったコーヒーショップ。いつかどこかで再開したいという気持ちは持ちつつ、重い腰をあげることができないでいた。

 どうせもうやらないんだから捨ててしまえという綾子にしどろもどろと残していてほしいと伝えたが、彼女は捨てろの一点張り。

 そこに助け船を出したのは意外にも、晴美だったのだ 綾子はいつだって誰かの大切なものを捨てろっていって実際に捨ててしまう。それは相手のためだと言うけれど、結局自分のエゴを相手に強要しているだけにすぎない。彼女は過去、離婚した父親との思いでの品を全て焼かれてしまった過去があったのだ。

 思わぬところからの援護射撃に気を良くした満もまた長々と講釈をつけるが、ニートと実体験のこもった我が子の言葉にはかなうはずもなく、最終的には満の部屋にこの段ボールは移動させるのことで落ち着いた。

 番組のラストでなぜか作品には影も形もない鈴木亜美の第2子妊娠を報告というサプライズが用意されていた。お茶の間ドラマとして最新の情報をぶっこんでいくスタイルとのことだが、あまりにも無関係で失笑してしまいそうになった。

 色々実験要素が詰め込まれているドラマだが、生田斗真と小池栄子の安定した演技力が何よりも魅力的だった。まだまだ物語は始まったばかり。満はやりがいを求めて歩き出すことはできるのか。
(文=三澤凛)

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