ジャニーズファンのリアルなヤラカシ事情――元Jr.担・20代女性の場合「『強め』に潰されるのが怖かった」

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「ヤラカシが一概にアイドルから嫌われているかといえば、そうではないですね。ピンキリです。好かれているヤラカシもいるし、逆に自分のヤラカシを対策的な役割にして、自分の嫌いなヤラカシを追い払わせることもあります」

　そこで私は先日、Hey! Say! JUMP・中島裕翔のファン（恐らくヤラカシ）が警察に逮捕された件を思い出し、「アイドル側は警察に言わないの？」と尋ねてみました。

「基本的にJr.は警察沙汰にはしたくないんじゃないかなと思います。それに警察に行っても結局警察官はアイドルと追っかけの揉め事だと思ってるから、『好きなのはわかるけどほどほどにね』って感じでヤラカシも厳重注意だけで解放されちゃう。過去に森本龍太郎くんの男ヤラカシが逮捕された事件があったけど、あれは携帯電話を無理やり取り上げたり、よっぽど酷い例だったから立件されたんだと思います。だから今回逮捕された人（中島裕翔のファン）は何かすごいことでもしたんじゃないですかね」

　ちなみに、まゆさんもヤラカシを3年ほどしている中で警察に行ったことがあるらしく。

「Jr.が6人くらい歩いてる後ろを黙ってついていってたら、到着したのが交番だった（笑）。このやり方はJr.あるあるみたいです。Jr.の代表者だけ残って、あとの5人はさっさと帰っていきました。警察官に事情を聞かれたけど、『嫌われない程度に追っかけしようね』って言われて解放されて終わりました。」

　捕まるかと思ったことはなかったですか？　との問いにはこう答えが。

「未成年だったから何でもできた。今は『ごめんなさい』って思ってます。他にも友達で警察に連れて行かれた子は何人もいます。あとは警察沙汰じゃないけど、電車を止めちゃったことはあります。担当と同じ電車に乗ってたら、同担が車両に乗り込んできて。それって“被る”って言うんですけど、もうあり得ないことなので、私は電車の中で『降りろ』とか『マジで帰れ』って大声で騒いでたら近くにいた一般人が駅員に通報しちゃって。次の駅に着いたらもうそこで駅員が待ち構えてて、電車を降りろって言われたんですけど、降りたらそこでもう担当を追えなくなる。電車を降りたくなかったので抵抗していたら電車が止まっちゃいました。同担と一緒に駅員室に連れて行かれて、お説教が終わって外に出たら遅延表示が出てた（笑）。『お客様トラブル』って書いてありました」

「お客様トラブル」は痴漢の隠語ではなく、本当にお客様同士のトラブルである場合もあります。皆さんも「お客様トラブル」を見かけたらヤラカシのことを思い出してみてください。

　そんなまゆさんがヤラカシを辞めたきっかけは、意外とあっさりしたものでした。

「一緒に動いてたヤラカシの子たちの担当が次々と事務所を辞めちゃって、そうなると情報網も薄くなるから動けないし、『やめよっか』ってなりました。年齢も20歳になる少し前で、成人式に向けてリアルの友達を大事にしたかったし、ふと『自分何してんだろ？』って思って。あとは体力が無くなってきて待てなくなった（笑）。極寒の中朝から晩まで突っ立っても平気だったけど、今は絶対無理」

　まゆさんの担当は、現在ジャニーズを辞めて一般人になっているとのこと。

「担当との最後が喧嘩別れだったんです。その日は親の迎えがあるから来ないでって言われていた日だったんですけど、行ったら喧嘩になっちゃって。『もうお前が嫌いなオタクも追い払わないから対策もひとりで全部やれよ』って言って、そのまま担降りしました。その後別のJr.のうちわを持ってコンサートに入ったりしてたんですけど、その時に元担当が名前を呼んできたり煽るような行動をしてきて（笑）。ジャニーズを辞めた後にSNSを始めたのを見て、DMしたらブロックされたので（笑）、やっぱり根本的には嫌われてたのかな、と。」

　まゆさんに、もし会える機会があれば元担当に会いたいですか？　と私は尋ねました。

「ずっと会いたいと思っているかと聞かれたら……、会いたくないです（笑）。でもまぁ、会いたいかな。何を思ってたか聞きたいし、謝りたいです。ヤラカシしてたのも、私のわがままだったので。今は反省しています。」

　ただのストーカーとアイドルの話なのですが、私は元若手俳優の重度出待ち厨だったので、こういう話を聞くと切なくなってしまいます。

　さて、次回はいよいよ平成処女軍団と直接関わりのあった00年代のヤラカシに話を聞き、一次資料の残っていない「平成のオリキ史」について紐解いていきたいと思います。過激なエピソードの数々をご堪能ください。

 
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