『崖の上のポニョ』は「怖い」? 「死後の世界を描いている」という都市伝説がささやかれるようになった理由

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金曜ロードシネマクラブより

 今夜8月23日放送の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系)は、「3週連続 夏はジブリ」の第2弾として、宮崎駿監督『崖の上のポニョ』がノーカットで放送される。

 本作は、海に住む真っ赤なさかなの女の子・ポニョと5歳の男の子・宗介が繰り広げる冒険ファンタジー。宗介と運命的に出会ったポニョは、宗介と一緒にいるため人間なろうとするが、それが海を動かす大騒動に発展してしまうという物語。アンデルセン『人魚姫』のキリスト教の色を払拭し、舞台を日本にして幼い子どもの愛と冒険を描いたといわれる作品だ。

 藤岡藤巻と大橋のぞみが歌う主題歌も影響して、コミカルなイメージがあるが、実は『崖の上のポニョ』については「ポニョは怖くて見てられない」「ジブリ映画で唯一苦手」「なんとも言えない不気味さが苦手」と評する声が結構多い。

 宮崎監督は本作について、スタジオジブリのスタッフの子どもたちを見て、「この子が最初に見る映画として作ろう」としたと語っている。さまざまなインタビューで「ポニョは子供向けの映画」と話しているが、ネット上で『崖の上のポニョ』と検索すると、本作にまつわる「都市伝説」を解説するページや動画がヒットする。

 そうしたページでは、たいてい「『崖の上のポニョ』は死後の世界を描いている」と説明されている。作中、ポニョが「人間になりたい」と願ったことがキッカケとなり、宗介たちが住む街が波に飲まれてしまうのだが、街の人物は全員無事という描写がある。そこでは、老人ホームの座りきりの老人が歩けるようになり、水の中の呼吸を可能にしていた。

 また、ポニョの本名である「ブリュンヒルデ」が北欧神話における、死者を連れていく役割を持つワルキューレであること、作中の随所に「生と死」と暗示させるようかの描写があること、そして音楽を担当した久石譲が「死後の世界や輪廻転生などの難しいテーマを投げかけながらも、子供からは少年の冒険の物語に見える、という二重の構造を表現するのが難しかった」とコメントしたことなどから、「『ポニョ』は死後の世界を描いている」とささやかれるように。

 そもそも津波のシーンに恐怖感を覚える人も多いが、子供向けとしているのに“難解”な部分が「不気味」だったり「怖い」と言われる原因のひとつになっていると思われる。なお、宮崎監督は本作について「これがハッピーエンドかどうかは見る人によって違うと思う」とも話している。

 なお、本稿で記述したことは「都市伝説」である。もちろん都市伝説を否定する声もあるため、改めて『崖の上のポニョ』を見て考察してみてはいかがだろうか。宮崎監督は本作を「少年と少女、愛と責任、海と生命、これ等初源に属するものをためらわずに描いて、神経症と不安の時代に立ち向かおうというものである」としている。

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