『群青のバトロ』週刊少年ジャンプ初登場で高すぎるクオリティ!短編だけじゃもったいない!!

 今週の週刊少年ジャンプはもう読んだ? 今週は、“心解き放つ気鋭新人読切2連弾”の第1弾として古田静蘭先生の『群青のバトロ』が掲載されている。

 これで新人!? と思うくらい美しいカラー扉。全編通して読んだ後に、もう一度この扉を見ると、中身がグッと凝縮されて描かれているのが分かる。表紙での掴みはOKだ。


 極寒の地のヴァイキングの集落「ギブロン」。そこに突如現れた少年バトロは「ギブロンで一番強い奴に逢いたい」と息巻く。勝負に勝てなければ奴隷と言われ勝利するもなぜかバトロは自ら奴隷になることを志願する。

 奴隷としてこき使われる生活が始まるが、バトロは何事もテキパキとこなしてしまい兵士たちを困惑させる。一体彼は何者なのか? どんな目的で奴隷となったのか……。


 NARUTOがお好きということでそこかしこに岸本先生の影響が見え隠れするタッチではあるもののオリジナリティのある少年誌らしい絵柄。そして王道の少年漫画でもあるヴァイキングファンタジーである今作。主人公の過去が壮絶そうなのが垣間見れるのだが、ページ数の関係上か描き切れていない部分を含め、ぜひ改めて長編で描いてほしい。

 相当な経験をしてきているように思える主人公・バトロだが、いま何歳なんだろうか。見た目は少年なのだが、オチなどを考えるとそれなりの年齢じゃないと辻褄が合わない気もする。単純なキャラデザの問題なのかもしれないが、若く見える秘密がなども裏設定としてあるのかもしれない。そう考えると、なおさら長編で読んでみてくなる。

 バトロの魅力で、捕らえられていた奴隷のみんなはもちろん、彼をこき使う兵隊たちも徐々に影響されて変わっていく様はすばらしかった。バトロのキャラクターの行動原理に嘘がなく、過去の辛い経験がそうさせているから、みんな惹かれていくのだろう。

 週刊少年ジャンプ初登場でここまで描き切ることが出来るのであれば、すぐにでも連載できそうなのだが、どうなのだろうか。現在はひとりで原稿を仕上げているようなので、優秀なアシスタントさんがつくことを願ってやまない。
(文=三澤凛)

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