『科学と魔法の格闘家たち』ドラゴンボールで育った世代ならすんなりと受け入れられる傑作読み切りバトルマンガ!

 今週の週刊少年ジャンプは読んだ? 7月29日に発売された週刊少年ジャンプ35号にはなんと、センターカラー60Pで大迫力の読み切り『科学と魔法の格闘家たち』が掲載されている。

 原作はジャンプルーキー出身のいぬころすけ先生、漫画は『アイシールド21』や『ワンパンマン』の作者の村田雄介先生。


 魔法と科学がそれぞれ発展している2つの国では、3年に1度互いの国の最強者同士が戦う異種格闘試合を開催していた。交流戦で戦う予定でいるレイターと鬼五郎にはとある関係があって……?


 魔法拳とサイバーファイトという、それぞれの国の特徴が顕著なこれらの格闘技のアイデアや、レイターと鬼五郎というその格闘技のトップに立つふたりの想いなど1話の中にギュッと詰め込まれた作品だ。

 絵柄が安定しているのと、シンプルな設定のためにすっきりと読み進めることができる。もう何年も連載を重ねた漫画のような風格を感じるほどに、読んでいて心にすとんと落ちてくる。それは、どことなくこの戦いの雰囲気がドラコンボールを彷彿とさせるからかもしれない。異種格闘試合はさながら天下一武道会で、当たり前のようにいる師匠が亀仙人、いつの間にかいるヒロインっぽい女の子がブルマのようだ。ジャンプで育った者は、この方程式が体に染みついているからスっと理解できるわけだ。

 バトルシーンも迫力があって見ごたえがある。主人公レイターのピンチとそれをどう乗り越えるかまでの組み立ても見事。爽快感のあるすっきりとした収まり方と、続きがありそうだと期待させるので、アンケートの結果次第では連載になることも十分ありえそうだ。

 ジャンプルーキーのサイトでいぬころすけ先生が描いた同作品が読めるのだが、絵の上手さが段違いである。人気連載を持っていた作者の凄さを痛感することが出来るし、フレッシュなアイデアに画力が着くことで、作品のパワーが何倍にもなるということを思い知らされる。

 いぬころすけ先生も、自分で漫画を描きたいと考えているのかもしれないが、このコンビでこの連載ももっと読んでみたいという気持ちがある。

 自分の作品を世に出すということの難しさ。小畑健×大場つぐみのような例があるだけに、原作と漫画のような組み合わせを色々作ってみるのも面白いかもしれないが、元々全部自分でやっていた人はどっちを望むものなのだろう。

 漫画を描いていくということについても考えさせられる、すばらしい読み切り作品だった。
(文=三澤凛)

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