【モノブライト出口博之の特撮自由帳(11)】

大槻ケンヂ×モノブライト・出口博之、世界進出を目指して(!?)改めて“特撮”を語る!

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■「金がない日本映画も頑張れ! と思うわけですよ」(大槻)

出口 僕にとっての特撮の原風景というと……僕は82年生まれなんですけど。

大槻 ということは『ウルトラマン80』(80~81年)はもう終わっていたんだ。

出口 終わっていました、再放送です。

大槻 『ウルトラマン80』も今見るといいんだろうけど、当時の僕は、子どもが特撮から卒業していくような時期だったから。何かグッとこないな、ただ石田えりさんのオッパイだけは凄かったなという印象が強い(笑)。石田えりさん以外は全然覚えていないぐらい。ライダーはBLACK(『仮面ライダーBLACK』/87~88年)?

出口 そうですそうです。ただ、我々の世代は『BLACK』、『BLACK RX』を子どものころ見ていましたけど、その次にライダーの新作がくるまで、12~13年も間がありましたから。

大槻 え、そんなに空いていたんだ!

出口 次が『仮面ライダークウガ』(00年)。その間、映画の『仮面ライダーZO』(93年)、OVAの『真・仮面ライダー 序章』(92年)とかはあったんですけど、TVシリーズが始まるのは00年まで待たないといけなかったんですよ。しかもちょうどウルトラマンも96年の『ウルトラマンティガ』までなかったわけですから。

大槻 特撮の冬の時代だ。子どもの頃から特撮を見ていた人が、大人になるまでの期間、ぽっかり空いちゃう人も多かったんだ。

出口 ええ、ですから最初に大槻さんがおはなしされたような、たまたまやっていたから、食い入るように見る、という体験は我々にもあるんですよ。何せやっていなかったですから。

大槻 あああ~

出口 だからオーストラリア制作のOVA『ウルトラマンG』なんかも、子ども心に「俺たちのウルトラマンにやっと出会えた!」といったところで、結局TVで放送しないし、情報も入ってこないので、結局レンタルビデオ店に行って借りてこないといけないし。制作からしばらく経ってから、ようやく放送されましたけど(発売:90~91年、放送:95年)。

大槻 なるほどね……今さ、日本発の特撮、たとえば『トランスフォーマー』みたいなことに、『ウルトラマン』もなれるはずだと思うんだよ。この間『鋼鉄ジーグ』(『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』)もあったでしょ、イタリアで永井豪先生が鬼のような人気で、アニメに憧れたやつが映画まで作って、作中で「俺が『鋼鉄ジーグ』だ」というセリフがあったりするわけで。

出口 手製のマスクみたいなのを被って(笑)。

大槻 まだ、見ていないんだけど、面白いのは『鋼鉄ジーグ』(アニメ版:75~76年放送)は日本で大人気というわけではなかったじゃない。「え、そんなのが受けたの?」という作品が受けたりする。だから、『アクマイザー3』(75~76年)がある日突然、ハリウッドでリメイクされたりすることも、全くないわけでないんだよね。

出口 ありえますね。それこそリメイクされて、万国共通でグッとくる物語性がある……と考えると、僕は『怪傑ズバット』(77年)がいいかなと思ったりしますね。

大槻 あ、『ズバット』ね! ブラピとかがやるのかな、それともジョニー・デップかな。色々考えられるね。

出口 決め決めの、超キザな仕草で「お前は世界2位だ」と言い放つわけですよ。

大槻 タランティーノっぽい感じで、B級感も残しつつ。あ、いいね、こういうのははいくらでも考えつけられますね、そうしたら共演はニコラス・ケイジとか。いいね、これは見たい(笑)。

出口 海外で魅力が通じそうな、ちょっとマイナーな作品やヒーローはたくさんいると思うんですよ。

大槻 最近のハリウッドの特撮、ヒーローものとか見ていると、「これは日本の特撮とかアニメの影響だな」と思うものがあるでしょ? 映像の中にも、そのまんまなカットがあったりするよね、『パシフィック・リム』とか。

出口 ありますね~。ただ『パシフィック・リム』はデルトモ監督が日本のアニメや特撮が大好きなんだ! と公言していますから。「あ、この人は80年代半ばぐらいに死んじゃったオタクが生まれ変わったんじゃないかな?」と思うぐらいで(笑)。

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